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NewJeansハニの涙は露と消えた 労働庁「職場内いじめを禁じた労働基準法はアイドルに適用されない」

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月20日 12時45分

アイドルは労働者ではない

ハニに対する職場内いじめ疑惑を調査したソウル地方雇用労働庁ソウル西部支庁はこの嘆願に対して「ファム・ハニ(ハニの本名)がマネジメント契約の内容と性質上、主従関係で賃金を目的に労働を提供する労働基準法上の労働者に該当するとは見難い」とし、「互いに対等な契約当事者の立場で各自の契約上の義務を履行する関係に過ぎず、会社側の指揮・監督があったとは見難い」と明らかにした。

またソウル支庁は「一般社員に適用される会社就業規則などの制度やシステムが適用されていない点、一定の勤務時間や勤務場所が決まっておらず出退勤時間を決めることができない点、芸能活動に必要な費用などを会社とファム・ハニで負担している点」等も労働基準法上の労働者と見ることはできないと説明した。

さらに「支給された報酬が収益配分の性格で、労働自体の対価とは見難い点」「税金を各自負担し、労働所得税ではなく事業所得税を納付する点」、「芸能活動を通じた利潤創出や損失のリスクなどを自ら引き受けていると見られる点」も指摘した。

ソウル支庁側は最後に、最高裁が2019年9月、芸能人専属契約の性質を民法上の委任契約または委任と似た無名契約に該当すると判示した判決に言及し、「労働基準法上の労働者に該当するとは見難い」と再度明らかにした。

これまで韓国では一般的に歌手や俳優のようなフリーランスのアーティストたちは、特殊形態労働従事者として分類されてきた。 裁判所でも労組法上、俳優を労働者と認定した判例はあるが、労働基準法上の労働者であるかどうかに対しては判断を下した例はなかった。また政府も2010年に芸能人を労働者よりは企画会社と専属契約を結んで活動する「例外対象者」という判断を出していた。

これで終結ではない

ただハニに対する雇用労働庁の判断が出たが、これで終わったわけではない。ハニが国会の環境労働委員会国政監査で参考人として出席し証言した後、与野党がアーティストの「労働者性」が法的に保障されないということについて、労働法の死角地帯に対する制度補完を一斉に要求したのだ。

雇用労働庁関係者は「労働者ではないのに労働基準法では規制できない。またすべての契約関係を労働基準法で包括することもできない」とし「芸能関係者の場合、それと関連した法令など個別法があるので、そちらで保護する方法を考えなければならない」と話した。

一方、雇用労働庁は毎年良質な働き口創出と労働環境改善の先頭に立った企業100カ所を最高企業として選定するが、HYBEは9月に労働部が選定した「今年の働き口最高企業100カ所」に選定されている。だが、ハニのいじめ被害問題が提起され、NewJeansファンを中心に選定取り消し要求が出てきたため、雇用労働庁は国政監査で「関連陳情(苦情)の調査結果が出てくれば、これを土台に細心に(撤回可否を)調べる」と回答した経緯がある。

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