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Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月20日 14時31分

yousafbhutta-Pixabay

ビリー・シュワブ・ダン(エンターテインメント担当)
<話題作でも容赦なく打ち切ることから「番組愛がない」と批判されるネットフリックス。独自データを元に判断しているというが、「視聴ランキング」の選定基準も不透明で──>

数々のヒット作を生み出しているネットフリックスだが、あっさりと番組の打ち切りを決めてしまう無情さでも知られる。10月だけでも複数の人気番組の打ち切りが発表され、ネット上にファンの悲鳴が飛び交った。

例えばジェフ・ゴールドブラムがゼウス、ジャネット・マクティアがヘラを演じた現代版ギリシャ神話の『KAOS/カオス』は、配信開始からわずか1カ月ほどで、1シーズン限りの打ち切りが発表された。キャストは豪華で脚本も素晴らしく、配信開始直後から人気番組のトップ10入りを果たしていた話題作だけに、ファンにとっては大きなショックだった。

Netflix『KAOS/カオス』予告編

映画レビューサイトのロッテントマトで81点の高評価を得ていた『ザット’90sショー(That '90s Show)』と、ロブ・ロウと息子のジョン・オーウェン・ロウが共同制作・出演した『限界ダディ(Unstable)』も、あえなく打ち切りとなった。

あまりに無情で、番組愛が感じられないという声に対して、ネットフリックスは視聴者の反応が悪い作品を打ち切りにしているだけだと反論している。だが「視聴者の反応」をどう測定しているかは公表されておらず、「視聴ランキング」の選定基準も不透明だ。

この点について、本稿執筆の時点でネットフリックスからの回答は得られていない。しかしストリーミングビジネスに詳しい3氏からは興味深い回答が得られた。

『KAOS/カオス』 JUSTIN DOWNING/NETFLIX

効率性が命の競争市場

まず、アトリエ・クリエーティブ・テクノロジーズ社を率いるダン・ゴマン。メールで回答を寄せたゴマンによれば、ネットフリックスの決断は基本的に、さまざまな視点から視聴者の反応を数値化した独自のデータに基づいている。

だから(『カオス』や『限界ダディ』のように)いくら豪華キャストをそろえた大作でも、シーズン2に続く保証はない。

Netflix『限界ダディ(Unstable)』予告編

ゴマンは言う。「ネットフリックスは独自のデータ(多くは社外秘)を駆使して視聴者の行動を分析している。外部からは唐突に見える決定も、実は視聴者の属性や視聴時間、離脱率、視聴維持率などの分析をベースにしている」

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