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資金源も使途も非公開、米連邦政府を舞台にトランプ版「政治とカネ」劇場が始まった!?

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月26日 19時5分

激戦州アリゾナで開いた選挙集会に現れたトランプ(6月) USA TODAY NETWORK via Reuters Connect

イワン・パーマー
<政権移行期に誰から資金を調達し何に使うかを明らかにし、閣僚に指名した人物は捜査機関の調査に協力する──歴代政権が署名・提出してきた重要な了解覚書(MOU)に、トランプはまだ署名していない。このままでは、アメリカが巨大な腐敗国家になる>

ドナルド・トランプ米次期大統領が正式な政権移行手続きの開始に必要な法的文書に署名をしていないことに、民主党や反トランプ派から怒りの声が上がっている。

一般に大統領選の候補者は投票日前の9月か10月までに、GSA(連邦調達局)やホワイトハウス、司法省などと了解覚書(MOU)を交わす。次期政権が現政権と協力して、施設利用などに関して規則に従った手順で政権移行プロセスを進め、FBIが国家安全保障に携わる役職に指名された人物の審査を行うことを認める書類だ。

トランプは次期政権の主要ポストの指名をほぼ終えているが、一部のポストについては連邦議会上院での承認手続きが必要になるが、MOUへの署名が遅れれば、上院議員たちはFBIによる身元調査が行われないまま主要ポストの候補者についての審査を行わなければならなくなる可能性があると、AP通信は伝えている。

たとえば、元FOXニュース司会者で次期国防長官候補のピート・ヘグセスやかつては民主党の下院議員だった国家情報長官候補のタルシ・ギャバードらについては、既に懸念の声が上がっている。

ヘグセスは2017年に性的暴行疑惑で捜査を受けており(訴追はされておらず本人は疑惑を否定)、ギャバードはロシアのプロパガンダ拡散やシリアのバシャル・アサド大統領との面会歴をめぐって批判を受けている。

MOUには政権移行のための資金集めの目標額、一件当たりの寄付の上限、連邦政府から受け取る助成金の額、利益相反を避けるために資金提供者を公開する項目も含まれており、トランプがこれに署名しないということは、政権移行プロセスの資金提供者や金額を公開しないことを意味する。

反トランプの共和党員から成るグループ「リパブリカンズ・アゲンスト・トランプ(トランプに反対の共和党員)」はX(旧ツイッター)への投稿でトランプを「アメリカ史上最も腐敗した大統領」と称し、トランプの政権移行チームが「秘密の資金」で運営されているとした11月24日付のニューヨーク・タイムズ紙の見出しを共有。

「トランプは政権移行に必要な倫理規定書にまだ署名していない。これにより彼は未確認の献金者から人件費や交通費、事務所スペースの確保に必要な資金を無制限に調達することができる」と引用した。ちなみに、第一期トランプ政権への移行期だった2016年にはトランプも署名を行い情報開示を行なっている。

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