メドベージェフ「ウクライナに核移転ならNATOに核攻撃されたとみなす」
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月27日 18時8分
マヤ・メヘル
<アメリカがウクライナに核兵器を供与する可能性の議論に、プーチンの盟友が敏感に反応。ウクライナへの核兵器供与は核戦争の準備とみなすと脅し文句を並べた>
アメリカとロシアの緊張が高まる中、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の盟友が、テレグラムへの投稿でアメリカに対し、核兵器に関する警告を発した。
ニューヨーク・タイムズは先週、複数の匿名の西側当局者がバイデン米大統領はウクライナに核兵器を提供する可能性があると話したと報道。ロシア前大統領のドミトリー・メドベージェフ安全保障会議副議長は11月26日、この議論を批判した。
核移転に関する報道とメドベージェフのコメントに関して本誌がホワイトハウスに問い合わせたところ、「ウクライナに核兵器を提供する計画はない」との回答があった。
メドベージェフはテレグラムへの投稿で、「アメリカの政治家やジャーナリストは、ウクライナに核兵器を移転した場合の影響を真剣に議論している」と書いている。
「最大の核保有国ロシアと戦争状態にある国に核兵器を与えるのか? その考えはあまりにバカげており、そんな動きを勧める人間は妄想性精神病を疑われてしかるべきだ」
「しかし、私はバカげた話にもコメントしなければならない。1)ウクライナに核兵器を移転するという脅しそのものが、ロシアとの核戦争の準備と見なすことができる。2)現実に核兵器が移転された場合、核抑止力の国家政策指針(核ドクトリン)第19条に基づくわが国に対する攻撃行為と同一視できる。結果は明らかだ」
メドベージェフが言及した核抑止力の国家政策指針とは、2020年に定められた核兵器を使用するための条件を示すドクトリンで、その第19条には「ロシア連邦による核兵器使用の可能性を規定する条件」として、「ロシア連邦および/またはその同盟国の領土を攻撃する弾道ミサイルの発射に関する信頼できるデータの到着」が含まれている。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は最近、この核ドクトリンの改定を承認した。今回の改定はロシアが「核の脅威を減らすために必要なあらゆる努力」をすることを強調し、「核兵器を含む軍事衝突」につながりかねない国家間の緊張の激化を防ぐことを目的としている。
また、核抑止は「仮想敵国に、ロシア連邦および(または)その同盟国に対して侵略を行った場合、報復が不可避であることを理解させる」ことを確実にしなければならない、としている。
この記事に関連するニュース
-
迎撃不可能、ウクライナに最新式中距離弾道ミサイル「オレシニク」発射 プーチン大統領に焦り「トランプ復帰までに決着狙いか」
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月24日 10時0分
-
プーチン大統領 最新の極超音速中距離弾道ミサイルの量産表明 ウクライナ東部への攻撃に使用
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月23日 4時17分
-
プーチン大統領が示した〝核投下〟のデッドライン 核ドクトリン改定が意味するモノ
東スポWEB / 2024年11月20日 6時4分
-
ロシア、核指針改定 ウクライナ支援の米国に警告
ロイター / 2024年11月20日 2時52分
-
ロシアが核使用の敷居大幅に引き下げ、プーチン氏に幅広い決定権 ウクライナ戦況に合わせた異例の見直し、世論は支持、核威嚇依存体質強まる
47NEWS / 2024年11月17日 10時0分
ランキング
-
1G7外相会合で「ロシアに武器輸出」非難に中国政府「武器を提供したことはない」と反論
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月27日 18時41分
-
2レバノン停戦、市民に不信感も=「双方が違反する」と懸念
時事通信 / 2024年11月27日 19時55分
-
3中東、レバノン停戦を歓迎=イラン「犯罪者の処罰」訴え
時事通信 / 2024年11月27日 20時28分
-
4ソウルで記録的大雪=11月の最多積雪更新―韓国
時事通信 / 2024年11月27日 19時31分
-
5ミャンマー軍トップに逮捕状を請求 国際刑事裁判所の主任検察官「ロヒンギャの迫害に関与」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月27日 20時47分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください