メドベージェフ「ウクライナに核移転ならNATOに核攻撃されたとみなす」
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月27日 18時8分
これまで、ロシアの大統領や首相を歴任しているメドベージェフは、最近もウクライナのドニプロへの攻撃に使われたロシアの新型極超音速弾道ミサイル「オレシュニクの射程距離について、テレグラムで発言した。
「ヨーロッパは、このミサイルが核弾頭を搭載していたらどのような被害をもたらすか、撃墜は可能なのか、旧世界の首都までの到達時間はどれほどか、といったことに頭を悩ませている」
「答えよう。被害は受け入れがたいものになる。現存する技術でこのミサイルを撃墜することは不可能だ。勝負は数分だ」
「防空壕も役に立たない。唯一の希望は、ロシアが事前に発射の警告をすることを願うぐらいだ」と、メドベージェフは付け加えた。
彼はまた、ジョー・バイデン大統領がウクライナに対し、長距離ミサイルによるロシア領土内への攻撃を許可したことを批判した。すでにロシア領土へのミサイル攻撃は開始され、ロシアは報復にオレシュニクをウクライナの大都市ドニプロに試験発射した。
メドベージェフは、ウクライナが11月19日にアメリカ製ATACMSを使って国境のブリャンスク州を攻撃したことに言及した。「これはNATOによるロシアへの攻撃とみなすことができる」とし、「この場合ロシアには、ウクライナとNATOの主要施設に対して、大量破壊兵器による報復攻撃を行う権利が生じる。そして、それはすでに第三次世界大戦なのだ」と述べた。
核不拡散を訴える米シンクタンク、核脅威イニシアティブ(NTI)によれば、1991年にソビエト連邦が解体する際、ウクライナは領土内にあった戦略核弾頭と戦術核兵器6100発を放棄せよという国内外からの圧力に直面した。
1994年にウクライナはこれらの要求を受け入れ、「安全保障に関するブダペスト覚書」に署名した。この条約により、ウクライナは、新たに獲得した主権と領土をロシア連邦が尊重するという保証と引き換えに、1996年半ばまでに全核兵器のロシアへの譲渡を完了した。
ウクライナは今日まで原子力を大いに利用しているが、核不拡散条約に加盟しているため、核兵器の保有を試みたことはない。
だが、2022年にロシアが本格的なウクライナ侵攻を開始したことで、多くの世界の指導者たちが、ウクライナに核兵器を放棄させたことを後悔するようになった。
2023年4月、アメリカ大統領として1994年のブダペスト覚書を取りまとめたビル・クリントンは、アイルランドのRTE放送に対し、ウクライナがまだ核を保有していればロシアは侵攻しなかったかもしれないと語った。
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