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メープルシロップが「代謝疾患」のリスクを減らす可能性...腸内環境も良好に【最新研究】

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月30日 8時45分

piviso-pixabay

ハティ・ウィルモス
<メープルシロップを摂取した被験者は、血圧の値が有意に改善。また、腸内の善玉菌も増加>

精製された砂糖の代わりにメープルシロップを摂ることで、代謝疾患のリスクを減らせる可能性があると、カナダの研究で示された。

「メープルシロップは砂糖以上のものであることは、数十年の研究から分かっています」と述べるのは、本研究の主席研究者であるアンドレ・マレ博士だ。

「メープルシロップには100種類以上の自然化合物が含まれており、その中には抗炎症作用によって病気を予防することが知られるポリフェノールも含まれています」

 

代謝疾患とは、肥満、および2型糖尿病、高血圧、インスリン抵抗性、心臓病など肥満に関連する疾患の総称である。

糖質の高い食事と炎症は、代謝疾患の2つの主要なリスク要因として知られている。しかし、すべての糖が健康に有害かどうかについては、栄養の専門家や科学者の中で長い間議論されてきた。マレ博士は次のように語る。

「メープルシロップの基本的な化学構造が独特であるため、精製された砂糖と同量のメープルシロップを摂取することで、ヒトのの心代謝系の健康や腸内細菌叢(腸内フローラ)に異なる影響を与えるのではないかと考えています。

結果は極めて有望なものでした。比較的短期間の治療で、これほど多くのリスク要因が改善されるとは予想していなかったのです」

この研究は、カナダのケベック州とその周辺に住む18~75歳の42人を対象に行われた。全員が過体重である以外は健康は良好状態であった。

研究の参加者は2つのグループに分けられ、一方のグループは8週間の間、1日の総摂取カロリーの5%をカナダ産メープルシロップに変更。もう一方のグループは人工甘味料入りのショ糖シロップを同量摂取した。

 

この8週間後、被験者は通常の食事に戻って4週間を過ごし、その後さらに8週間、別の種類の砂糖を摂取した。

このため、参加者全員がメープルシロップと人工甘味料入りのショ糖シロップの両方を8週間ずつ摂取し、大さじ2杯のカナダ産メープルシロップと大さじ2杯のショ糖シロップを食べた場合の人体への影響を直接的に比較することができたのだ。

メープルシロップを摂取することで、血糖値、血圧、腹部脂肪など、代謝疾患のいくつかの指標が改善されることが認められた。

そしてメープルシロップを摂取した被験者は、血圧の値が有意に改善したが、ショ糖シロップを摂取したグループは通常の食事を摂るよりも血圧が高くなる結果となった。

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