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数年後に迫る!?「ロシアとの戦争」に備えるヨーロッパ

ニューズウィーク日本版 / 2024年12月5日 20時51分

ドイツは、ベルリンが攻撃を受けた場合に重要な建物や施設をどのように遮蔽するか、また、ドイツがヨーロッパのさらに東に向かう何十万人もの軍隊の通路となった場合どうするかについて、計画をまとめ始めていると、ドイツの日刊紙フランクフルター・アルゲマイネ紙は11月に報じた。

「作戦計画ドイチュラント」と題された戦略文書の第一稿は、1000ページにも及ぶと同紙は報じている。

ロシアやベラルーシと国境を接するラトビア、リトアニア、エストニアのバルト3国は今年1月、国境沿いの防衛を強化する協定に調印した。

ベラルーシはロシアの重要な同盟国で、2022年2月のウクライナ侵攻時には、ロシア軍はベラルーシを通ってウクライナに入った。

バルト3国のなかでも、ベラルーシとロシアの飛び地カリーニングラードにはさまれたリトアニアはNATOの弱点だ。とくにNATO加盟国のポーランドとリトアニアの短い国境にある「スバウキ回廊」を奪われれば、バルト3国はNATO圏への出口を完全に失ってしまう。

そうなったとき、バルト3国を解放するのはNATOの集団防衛の義務だ。

バルト3国の最北にあり、西はバルト海、東はロシアとの国境となるエストニアのハンノ・ペフクル国防相は、「エストニアの人々が安心して暮らせるように防衛強化を行っているが、わずかでも危険が生じれば対応をスピードアップする」と語った。

現在は国境沿いに、「塹壕、兵站基地、補給路のネットワーク」を構築しているという。

リトアニア国防省は9月上旬、カリーニングラードの向かいにあるリトアニア国境の集落パネムネにある橋とその周辺を「封鎖した」と発表した。

また、ロシアの戦車の前進を阻止し、機械化歩兵の侵攻を防ぐため、コンクリートブロックでできた「竜の歯」と呼ばれる防御用障害物を設置した。この種の対戦車要塞はウクライナ戦争でもよく使われており、今ではウクライナ全体に点在している。

リトアニア政府は、「これは、より効果的な防衛を確保するための予防措置だ」と述べた。



リトアニアの北に位置し東はロシアと国境を接するラトビアも同様の防衛体制を敷いている。5年間で約3億300万ユーロ(3億1800万ドル)をロシアとの東部国境の防衛強化に投入する計画だ。

ラトビアのアンドリス・スプルーズ国防相は1月の声明で、「侵略のスピードを効果的に遅らせ、阻止できるだろう」と述べた。

エストニア公共放送は10月、ラトビア軍がバルト防衛ラインを構成する障壁をテストしていると報じた。障壁には竜の歯も含まれている。

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