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ジンベエザメを仕留めるシャチの「高度で知的」な戦略...巨大な獲物を狩る様子を研究チームが撮影

ニューズウィーク日本版 / 2024年12月8日 13時5分

今回の発見は、海洋生態系のダイナミクスと保全に関する重要な疑問を提起している。イゲラ=リバスは、海洋観光を注意深く管理することが必要だと強調した。「資源開発とは無関係の(海洋における)あらゆる活動が、敬意を持って、持続可能な方法で行われることを保証するような、明確な規制基準が必要だ」と同氏は述べた。

研究チームはまた、モクテスマの群れの特殊な狩猟戦略にも、潜在的な脆弱性があると指摘している。もし気候変動が、カリフォルニア湾に生息するジンベエザメの個体数に影響を及ぼせば、これらのシャチは、独自の補食方法を維持していくうえで大きな困難に直面する可能性がある。

「シャチたちが戦略的かつ知的に協力し、獲物の体の特定部位のみを狙う姿は非常に印象的だ」とイゲラ=リバスは語る。「彼らがどれほど優れた捕食者であるかがよくわかる」

世界自然保護基金(WWF)によれば、ジンベエザメは、補食されなければ150歳まで生きることもある。しかし、そこまで長生きする個体は少なく、成体まで生き延びる割合は10%以下だ。

シャチはジンベエザメ以外のサメも食べるのか?

体長10メートル近くに達することもあるシャチは、世界中に生息しており、極めて適応力の高い捕食者だ。当然ながら、ほかのサメを食べた記録もある。2024年に発表された別の研究では、カリフォルニア湾のシャチが、カマストガリザメやオオメジロザメなど、さまざまなサメを捕食している証拠が示された。

オオメジロザメは、体長3メートルを超える攻撃的なサメで、シャチにとっては大きな脅威になる可能性もある。

研究論文には、次のように書かれている。「海面での観察によると、1頭のシャチが、サメの側面に体当たりし、失敗してもすぐ再挑戦し、その後、上下逆さまになって尾で叩こうとした。これは、『ロブ・テーリング』または『テール・スラッピング』と呼ばれる狩りのテクニックだ」

一方、南アフリカでは、地球上で最も有名な捕食者の一つホホジロザメを捕食するシャチの姿が記録されている。

ORCAのバニーは、こう述べている。「高度に特殊化した、協調的かつ知的な補食戦略の例としては、シャチの群れが連携し、流氷の上にいたアザラシを氷から落とそうとして波を起こしたり、魚を囲い込んだ後で、強力なテール・スラッピングで驚かせたりする方法がある」
(翻訳:ガリレオ)




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