【尹大統領独占インタビュー】戒厳令48日前に見せた焦り...「私にはもう十分な時間がない」
ニューズウィーク日本版 / 2024年12月11日 15時10分
デブ・プラガド(ニューズウィークCEO)、ナンシー・クーパー(グローバル編集長)、マシュー・トステビン(シニアエディター)
<今年10月に本誌の独占取材に応じた尹大統領は、北朝鮮の脅威や国内改革について熱く語りながらも、いら立ちや不満、焦りも吐露していた...>
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は10月16日、非常戒厳(戒厳令)を宣布する48日前に首都ソウルの大統領府で本誌の独占取材に応じていた。
北朝鮮の脅威などの対外問題や、深刻な少子化、ジェンダー格差といった内政問題について熱弁を振るいながら、尹は「もう十分な時間はない」と、後の戒厳宣布を予感させるかのような焦りの言葉を発していた。
聞き手はニューズウィークCEOのデブ・プラガド、グローバル編集長のナンシー・クーパー、シニアエディターのマシュー・トステビン。
■【動画】尹大統領本誌独占インタビュー を見る
◇ ◇ ◇
──最近の情勢を踏まえて、北朝鮮との対立関係についてどの程度まで懸念しているか。
北朝鮮が道理に外れた予測不能な行動に出ることは、世界的に周知の事実だ。しかしわが国は朝鮮戦争以降、北朝鮮の脅威に対して着実に防衛態勢を強化してきた。私の認識では、北朝鮮の通常戦力は韓国軍に比べて全く劣っている。
だからこそ北は核開発に固執し、核戦力を増強しているわけだ。しかしわが国は強固で複合的な抑止力を基に、北朝鮮からのあらゆる懸念と脅威に備えている。
──韓国国民の大半は、自国の核兵器開発を支持している。あなたの見解はどうか。
世論調査によると、国民の60〜70%が韓国は核武装すべきだと考えている。だが、これは非常に慎重になるべき問題だと思う。
ロシアのプーチン大統領は6月に北朝鮮を訪問。両国の関係強化は韓国にとって脅威になると尹は本誌に語った VLADIMIR SMIRNOVーSPUTNIKーPOOLーREUTERS
わが国は、北東アジアと世界の安全保障への影響を考慮しなくてはならない。(韓国が核保有国になれば)日本と台湾の核武装化を招き、北東アジアの安全保障上の脅威がさらに増大することになる。
韓国は核拡散防止条約(NPT)の規定を遵守する。ただし、アメリカとの信頼関係の強化を受けて私が国賓としてワシントンを訪れた際に、両国の同盟関係は核を基盤とする同盟に格上げされた。
──北朝鮮の兵士がウクライナとの紛争のためにロシアに派兵されたことが持つ意味と、それに対する韓国の対応を聞かせてほしい。この事態は韓国とロシア、ウクライナ両国との関係にどのような影響を与えるのか。他国にはどのような対応を望むのか。
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