元朝日新聞「事件取材の鬼」も10代の同級生たちの中では戸惑うばかり...事件記者、保育士になる?
ニューズウィーク日本版 / 2024年12月20日 11時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
<セカンドキャリアといわれるが、年長者が若いコミュニティーに入っていくには戸惑いもあり...>
地下鉄サリン事件をはじめ、誘拐、殺人、暴力団抗争などを取材し、伝説の事件記者として知られる元朝日新聞警視庁キャップの緒方健二氏は、39年の記者人生を卒業し、私立東筑紫短期大学の保育学科に入学した。
ピアノが弾けない、読み聞かせれば講談調、童謡はムード歌謡に。10代の同級生しかも大半が女性という環境で、63歳の事件記者は学業を修めることができたのか? 年長者としての勇気と心構えさえあれば、加齢による不利は有利にも転換することができる。新聞記者を目指した学生時代より、熱心に学業に励んだという日々を『事件記者、保育士になる』(CCCメディアハウス)にまとめた。
※全3回の第2回(第1回/第2回)
◇ ◇ ◇
保育学科の学生は圧倒的に女性が多い
階段を上りつめ、なんとかオリエンテーション会場にたどり着きました。木の床を踏みしめるとぎしぎしと音がします。使い込まれた木製の机と椅子にも味がある。さて、どこに座るのやら。
入学式でもらった名刺大のカードで確認します。「ご入学おめでとうございます」のメッセージ付きのそれには「クラス 1組」とあります。おう、1年1組か。はるか昔に入学した小学校も1年1組でした。なんであれ「1」はめでたい、清々しい。でも学籍番号は5番、これは氏名の五十音順なのでやむを得ない。
指定の席に着いて教室を見回します。予想通り女性が圧倒的に多い。当方の前後と左も然り。席が右端だったので右は無人です。
男性はいねえか。立ち上がって探します。ひい、ふう、みい......。1組には当方を含めて4人、隣の2組に3人の計7人いました。前年度は学年で1人、なんと7倍です。
4年制大学を卒業して入ったという20歳代半ばの野郎も1人いますが、おしなべて大人しそうな印象です。迷える子羊のごとし。けんかしても勝てそうだ。しませんよ、気合いの問題です。
手取り足取り面倒を見てくれる短期大学の現状
保育学科1年の全容がつかめました。
一、クラス制で1組から4組まである
一、各組に担任教員がつく
一、各組に委員4人を置く
一、出欠・遅刻の連絡は必ず担任に連絡
むむむ。ここは小学校か? 大半の学生は高校を卒業したばかりゆえ、こうした仕組みに違和感は持たないでしょう。クラスなし、日々の出欠管理なし、落第しようが留年しようが行き倒れになろうがすべては自己責任の大学で過ごした身には驚きです。
この記事に関連するニュース
-
「伝説の事件記者」が保育を学ぶ短大生に...大先輩は新宿の保育園長
ニューズウィーク日本版 / 2024年12月19日 11時30分
-
事件記者、保育士になる?「事件取材の鬼」と呼ばれた元朝日新聞記者が選んだセカンドキャリア
ニューズウィーク日本版 / 2024年12月18日 11時30分
-
高校2年生の娘がいます。将来、語学を生かした仕事に就きたいと言っているのですが、専門学校と大学、どちらがいいでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月11日 4時50分
-
「AO入試はバカでラクでズルい」は時代遅れ…東北大学が「筆記だけの一般入試をやめる」と宣言した本当の理由
プレジデントオンライン / 2024年12月9日 18時15分
-
東洋英和女学院大学が人間社会学部(仮称・設置構想中)メッセージサイトを更新 ― 一人ひとりに伴走。在学生と卒業生がインタビュー形式で思いを語る
Digital PR Platform / 2024年11月29日 8時5分
ランキング
-
1新幹線「のぞみ」自由席なんで減らすんですか!? いずれ“通年で全車指定席化”なのか? JR東海に聞く
乗りものニュース / 2024年12月22日 15時12分
-
2マクドナルド「チキンマックナゲット30ピース」 1480円→950円 特別価格で期間限定販売
食品新聞 / 2024年12月22日 20時27分
-
3グーグル、検索サービスの独占解消案を発表…「クローム」売却は拒否
読売新聞 / 2024年12月22日 19時0分
-
4「ドイツ旅行のコスパ最強ホテル」実は東横INN!? 実際に泊まったら「日本人には最強仕様」…でも違いも?
乗りものニュース / 2024年12月22日 11時12分
-
5103万円の壁問題とともに浮上した106万円の壁撤廃は別の経済苦を生むか パート主婦「手取りも減るってことですよね」コンビニオーナー「スポットで働く人を増やすか」
NEWSポストセブン / 2024年12月22日 7時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください