「通商交渉の責任者は自分」トランプの陣頭指揮で米通商政策はカオスに
ニューズウィーク日本版 / 2024年12月17日 22時4分
その点、通商・製造業担当の大統領上級顧問を務めるピーター・ナバロは、1期目で通商政策担当の補佐官を務めた経験の持ち主。強硬な保護貿易主義者であり、2021年1月の連邦議会襲撃事件に関して議会証言を拒否し、4カ月間収監された人物である。
一方、ホワイトハウスの国家経済会議委員長に指名されたのは、経済学者のケビン・ハセット。ナバロとは対照的に、伝統的な共和党の考え方に近い自由貿易主義者だ。
このように考え方が異なる面々が集まる結果、1期目と同様、関税と貿易に関して政権内で激しい議論が戦わされるだろう。しかし、1期目と違うのは、ライトハイザーがいないことだ。混乱の中に秩序を生み出せるだけの経験の持ち主が新しいチームには見当たらない。
その結果、誰よりも混乱をつくり出す男、ドナルド・トランプがアメリカの通商政策を取り仕切ることになりそうだ。世界の国々は覚悟しておいたほうがいい。
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