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「電気設備に主張は要らない」への解...建築そのものになり、環境配慮を追求するArchi Designとは

ニューズウィーク日本版 / 2024年12月24日 17時10分

また、「Archi Design」では施工のしやすさや自由度も重視される。例えば、2025年3月に発売となる「フレキシード」は、縦向けにも横向けにも設置できる業界最薄の住宅分電盤。開閉部分に工夫をこらすことで、天井や収納キャビネットなどにぴったりと隙間なく配置できる自由度の高さが魅力だ。

さらに今後は、製品カテゴリーによる取付穴径やサイズの統一が図られ、現在は商品ジャンルごとに異なっている取り付け方法の統一も検討される予定という。

照明器具やセンサー類など、天井に取り付けられる電設資材だけを見ても、現状では取り付けに必要となる穴の径はバラバラだ。施工する側からすると、さまざまな電気設備で径などの統一が図られれば、迷いのない商品選定や施工の効率化、ミスの防止といったメリットが享受できる。

住宅分電盤「フレキシード」。天井にぴったりと設置できる独自の設計に加え、モジュール設計によって部品の共通化を進め、部品点数を削減した

資源の削減や更新性の向上で、環境負荷を大きく低減

「Archi Design」が目指すもう1つのコンセプトが「環境配慮を重ねること」。根底にあるのは、調達から開発・製造、物流といったあらゆる段階で資源の効率化や循環的な利用を図りつつ、付加価値の最大化を目指すサーキュラーエコノミー(循環型経済)の考え方だ。

そもそもパナソニックグループでは、2030年までに自社拠点(工場やビル)でのCO2排出量を実質ゼロとする目標を掲げ、創エネ・蓄エネ・省エネの最適制御を取り入れて、カーボンニュートラルを推進してきた。

そんな同社の思想が色濃く反映された「Arch Design」では、製品の小型化や部品点数の削減などによる使用材料の低減や輸送時のエネルギー削減、梱包や取扱説明書の資源削減といった多角的な視点から、環境に配慮した取り組みを重ねていく。

すでにコンパクトランプでは、従来製品に比べて器具の体積を75%削減。梱包では印字と印刷面積、印刷色を最適化することでインク量を大幅に削減できる見込みだという。同時に、取扱説明書や施工証明書の省資源化を推進し、紙の使用を最小限に。QRコードを用いることで、ただ紙の使用量を削減するだけでなく、利便性を高めていく。

スポットライトでは従来製品(左)に比べて62%の重量削減を実現。原材料や輸送エネルギーの削減につなげた

梱包の表示を見直し最適化を図ると同時に、取扱説明書などを電子化することで、インクや紙の使用量を大幅に削減

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