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「発熱患者お断り」は、なぜ4年も続いたのか?...「初動」の悪さが「有事」を長引かせてしまった

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月8日 11時5分

例えば1日7時間(20人相当)発熱外来を開設した場合、患者が来なければ1日当たり27万円、患者が10人の場合は、補助金は13.5万円となり、診察した10人分については診療報酬での支給となる。

しかし、診療すればするほど、患者への検査体制、陽性者の療養の場合の手続きなど診療報酬を取り崩す形での手間が当然かかる。であれば、「開設をしても周知せず来院者はほとんどなし」という開店休業状態が医療機関の収益上は最も合理的な選択となってしまう。

伊藤由希子(Yukiko Ito)
1978年神奈川県生まれ。東京大学経済学部卒業。米国ブラウン大学経済学博士。東京学芸大学准教授を経て、現職。専門は医療経済学、国際経済学。日本各地の地域医療における病院再編問題に取り組む。内閣府規制改革推進会議「健康・医療・介護」WG専門委員・令和臨調「財政・社会保障部会」主査として社会保障改革に取り組む。

 『アステイオン』101号
 公益財団法人サントリー文化財団・アステイオン編集委員会[編]
 CCCメディアハウス[刊]
 

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イベントのお知らせ

アステイオンvol.101トーク「コロナ禍を経済学で検証する」
今回のアステイオントークでは、コロナ禍で果たした経済学の役割を振り返るとともに、経済学の専門知に対する他分野や世間からの信頼、インターネット社会における専門知の立ち位置について検討します。寄稿者から、医療経済学が専門の伊藤由希子氏、新型コロナ有識者会議のメンバーを務めた大竹文雄氏、読者を代表して科学と社会の関係に詳しい横山広美氏の3名をお迎えし、編集委員の土居丈朗氏の進行で予定調和なしのトークを繰り広げる予定です。

◆日時:2025年1月20日(月)16:00~17:30

◆登壇者 ※五十音順
伊藤由希子氏(津田塾大学教授)
大竹文雄氏(大阪大学特任教授)
土居丈朗氏(慶應義塾大学教授、アステイオン編集委員)※進行
横山広美氏(東京大学教授)

◆配信
Zoomウェビナーでの配信を予定しております(無料)。こちらのフォームより参加登録いただきましたら、配信URLが届きますので、当日ご視聴ください。なお、アーカイブ配信は予定しておりません。


◆登壇者略歴
伊藤由希子氏(津田塾大学総合政策学部教授)
1978年神奈川県生まれ。東京大学経済学部卒業。米国ブラウン大学経済学博士。東京学芸大学准教授を経て、現職。専門は医療経済学、国際経済学。日本各地の地域医療における病院再編問題に取り組む。内閣府規制改革推進会議「健康・医療・介護」WG専門委員・令和臨調「財政・社会保障部会」主査として社会保障改革に取り組む。

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