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2024年のK-POPを総決算 1年を振り返って実感するアーティストたちの「自信と貫禄」

ニューズウィーク日本版 / 2024年12月25日 20時10分

所属事務所とのトラブルが注目されたNewJeansだが、2024年も素晴らしいサウンド創りをしていることは改めて注目したい。 REUTERS/Mario Anzuoni/File Photo

まつもとたくお
<レコード大賞や紅白歌合戦にアーティストが出演するK-POP。今年のトレンドは?>

2024年のK-POP界隈の大きなトピックというと、NewJeansの所属事務所とのトラブルをあげる人が多いだろう。米ビルボードでトップに輝くほどの人気者と、それを発掘・育成した敏腕プロデューサー、トップクラスの芸能事務所が起こした騒動ゆえに、周囲が騒然とするのもわからないではない。とはいえ、肝心のサウンドに触れないまま、こうした芸能ニュースを中心に隣国の音楽シーンを振り返るのはあまりにも寂しいことだ。やはり主役は楽曲。というわけで、このコラムでは音楽的な傾向に焦点を当てて2024年のK-POPシーンを語ってみたいと思う。

サウンド面でもNewJeansは欠かせぬ存在

NewJeansの知名度が上がるとともにクローズアップされるようになったのが、"イージーリスニング"だ。中高年のリスナーであれば、「ポール・モーリア? それともパーシー・フェイス? ムードミュージックのことでしょ?」となりそうだが、さにあらず。近年は洒落たコード進行とクールなアレンジが印象的なサウンドを指す言葉として知られている。テイストは少し前に"チルアウト"と呼ばれていたものに近いかもしれない。
NewJeansは2024年「Supernatural」で日本デビュー。カップリング曲「Right Now」とともに日英韓がシャッフルされた歌詞が印象的だった。

シティポップ旋風が少し落ち着きはじめたのを見計らうように登場したイージーリスニングは、具体的に音の組み立てがどうのこうのと語れるわけではなく、むしろ制作サイドの姿勢と言ったほうが的確である。この方面では、BOYNEXTDOORが秋にリリースした「Nice Guy」が典型的な例で、「ラテン風だけど本格的にアプローチしているわけではなく、心地よさを追求しただけ」と言わんばかり。この雰囲気重視で楽曲を作るのが、2024年のトレンドのひとつになっている。
ZICOが手掛けたボーイズグループとして登場したBOYNEXTDOORは2024年、日本デビューを果たすなどの活躍を見せた。 

全世界的なムーブメントで韓国でも盛り上がっているのが、レトロなサウンドメイクである。これは数年前から見られた現象だが、NewJeansの活躍のおかげでさらに目立ってきた印象が強い。ここ最近は80年代~90年代に流行ったジャンルが受けているようで、"ハウス"を取り入れたRIIZE「Impossible」やNCT DREAM「When I'm With You」、大御所のチョー・ヨンピルが「Feeling Of You」を発表した2023年あたりから急増した"エレポップ"では、TOMORROW X TOGETHER「Love Story」、"ドラムンベース"だとNewJeans「Right Now」、tripleS「Untitled」といった具合に、例をあげれば切りがない。
NCT DREAMは2024年ミニアルバム「DREAM( )SCAPE」、フルアルバム「DREAMSCAPE」、日本オリジナルシングル「Moonlight」に加えて、「Rains in Heaven」でアメリカでもシングルをリリースした。 

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