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元日のニューオーリンズで「トラックが群衆に突っ込むテロ攻撃」再浮上するIS思想の影

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月6日 16時6分

ジャバールの事件でも分かるとおり、感化された人たちはテロ集団の下部組織に属さず、およそ過激派とは無縁な暮らしをしているから、いざ犯行に及ぶまでは誰にも気付かれないことが多い。

ISが目指すのは、単独犯による個別のテロ行為だけではない。欧米諸国でテロをあおり、社会の分断を深め、反イスラム感情を刺激し、政府を挑発して過剰反応を引き出す。そうすれば一段と過激化する人が増え、殉教志願者が増えることも計算している。

こうした暴力と分断のサイクルは、ISを含めたイスラム過激派集団の長期的な目標である欧米社会の不安定化に役立ち、これはイスラムと西洋という異質な文明間の衝突だという主張に一定のリアリティーをもたらす。

今回のような衝撃的事件は、領土を失ってもISの思想は健在だということのアピールにもなる。ISは不屈だというメッセージが伝わり、共鳴する人たちの士気が高まる。

イスラム過激派集団の影響力は中東から遠く離れた場所にまで及んでいる。ISに代表される過激な武装勢力は進化を重ね、状況の変化に適応して生き延びてきた。単独犯によるテロの脅威は、今やどこの国にもある。

Sara Harmouch,Ph.D. candidate in Public Affairs, American University

This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.

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