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轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月15日 19時40分

M270多連装ロケットシステム(MLRS)からATACMSが発射される瞬間(2006年5月) Public Domain

エリー・クック
<ドローンとミサイルを駆使し、化学工場や燃料貯蔵施設などロシア軍にとって重要な施設を各地で攻撃したウクライナ軍。その被害をとらえた写真や映像が各地で撮影され、ソーシャルメディア上で拡散されている>

ウクライナの当局者によれば、同国は一晩でロシアの複数地域をミサイルとドローンで攻撃した。ロシア軍の武器や爆弾の製造に不可欠な複数の化学工場などを標的にしたものだという。

【画像】【動画】轟音に次ぐ轟音...ATACMSミサイルによるとみられる攻撃で燃え上がるブリャンスクの化学工場

ウクライナ国家安全保障国防会議のアンドリー・コバレンコ(Andriy Kovalenko)は、ウクライナ軍は1月13日夜、ロシアのブリャンスク化学工場を攻撃したと述べた。ブリャンスク州の軍需産業施設で、ウクライナとの国境に近い。

ロシアとウクライナの情報筋によれば、ウクライナは、アメリカから供与された長距離ミサイルシステム「ATACMS」を使用したようだ。ロシア国防省は、ATACMSによる攻撃があったことを認めたが、すべて迎撃したと述べている。

ウクライナはロシア軍にとって重要な多数の施設を標的にしたとコバレンコは言う。ブリャンスク化学工場に近い、ミサイルシステムや防空システムの部品を製造しているマイクロエレクトロニクス施設や、タタールスタン共和国の化学工場などだ。

ウクライナは主に国産の長距離ドローンを使用し、空軍基地から石油精製所、化学工場まで、国境から何百キロも離れたロシアの重要な施設を標的にしてきた。

ロシアの独立系メディア「アストラ(ASTRA)」は、ウクライナが、ブリャンスク州の州都ブリャンスクの北西に位置するセリツォの化学工場を攻撃したと報じている。ロシアの保安当局とつながりがあるとされるテレグラムチャンネルは、今回の攻撃にはATACMSが使用されたと伝えている。

ウクライナの無人システム部隊は声明の中で、ドローンでロシアの防空システムを「かく乱」し、「ミサイルが主要な標的を正確に攻撃する」ための道を開いた後、「ブリャンスク化学工場に正確な一撃を食らわせた」と述べた。

ウクライナ当局は、ブリャンスク化学工場の攻撃に使われたミサイルの種類については特定しなかったが、これらの攻撃はドローン部隊や情報機関、その他の軍部による共同作戦だったと述べた。

ロシア国防省は14日、ウクライナが「米国製のATACMS戦術弾道ミサイル6発と、英国製の空中発射巡航ミサイル『ストームシャドウ』6発、無人航空機31機を使って」、ブリャンスク州の「複数の標的」に対する攻撃を試みたと発表した。

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