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「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月16日 18時9分

JEFF VINNICK/GETTY IMAGES

ヨハン・“N0tail”・スンドスタイン(OG Eスポーツ設立者)
<競技ゲーム界の頂点に立つデンマーク出身のプロゲーマー「N0tail」が「無名に戻りたい」と語る理由とは──>

任天堂のゲームボーイでやった『スーパーマリオブラザーズ』。それが初めてのビデオゲームだったと思う。学校の友達もみんなやっていた。その次は『ポケモン』だ。トイレでもプレーするくらい夢中で、母に写真を撮られたよ。

両親はゲーマーではなかった。バドミントンとかトランプとか普通の娯楽に親しむタイプだ。私はビデオゲームもスポーツも好きで、この2つには共通点があると感じている。どちらも競争の要素があり、ベストを尽くして戦うものだし、ゲームを分析してその仕組みを最大限に生かすところも同じだ。

友達とゲームボーイをつないでプレーすることもあった。あまりにも夢中になって、睡眠時間を削ったり、顔にチックの症状が出たりしたときはさすがに両親も心配していた。でも、ゲームそのものを禁止されたことはない。

初めてゲームで報酬を得たのは、『ヒーローズ・オブ・ニューワース(Heroes of Newerth)』だった。ごく少額だったけれど、ゲームで報酬を得る道があるのかと両親は少し安心したようだった。賞金が数千ユーロに達する大会もあったしね。

ゲーム配信をするN0tail

その頃の私は10代半ば。賞金を稼げたことで、将来について楽観的な見通しを持てるようになったのは、とても大きかったと思う。

できれば無名に戻りたい

対戦型ゲームをスポーツとして楽しむeスポーツは著しい成長を遂げてきた。最大の節目は2011年に、人気作品『ドータ2(Dota2)』の世界大会ザ・インターナショナル(TI)が開催されるようになったことだ。

5人組のチームが激突するトーナメント式の大会で、優勝チームは多額の賞金を得られる。第1回TIの賞金が100万ドルとなったことは、eスポーツを新たなレベルに引き上げたと思う。

私は10歳頃から『ドータ』を始め、そこで使ったN0tail(ノーテイル)というゲーマータグ(ユーザー名)でeスポーツの世界で知られるようになった。多くの人が私のプレーを見て、会ったことがなくてもよく知っているキャラクターのように思うようになったのだ。

eスポーツファンとの交流はとても良い経験になったと思う。でも本来は内向的な性格だから、有名になるのはちょっとつらかった。常に注目されることで輝く人もいるけれど、私は違う。

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