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グリーンランド買収を巡るトランプ氏の野望と「中国問題」...識者3人が語る「北極圏の行方」

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月20日 13時20分

マーク・ナトール氏はアルバータ大学人類学部の教授であり、ヘンリー・マーシャル・トリー講座を担当している社会人類学者だ。グリーンランドでの研究経験を持ち、グリーンランド大学とグリーンランド気候研究センターの客員教授も務めている。

ホイットニー・ラッケンバウアー(トレント大学):中国との貿易と投資推進は続くも楽観論は薄れる

近年、中国のデンマークにおけるソフトパワーの影響力は低下しており(これはデンマークがグリーンランドへの中国のインフラ投資に対して強硬な姿勢を取ることに直接反映されている)、グリーンランドの政治的優先事項は、地政学よりも地域経済の考慮を重視する傾向がある。

それでも、グリーンランド大学のナシフィク(外交・安全保障政策センター)が実施した最新の世論調査によれば、国内問題が外交政策上の懸念よりも優先される傾向がある一方で、55.4%のグリーンランド住民が中国との協力を減らしたいと考えており、59%がアメリカとの協力を増やしたいと望んでいることが明らかになった。

かつての中国投資への期待感が大きく薄れたものの、グリーンランド政府は引き続き貿易や連携を推進し、外国の関心を持続可能な経済発展へとつなげようとしている。

アメリカにとって中華人民共和国は、世界的な「ペーシングチャレンジ(刻々と深刻化する脅威)」であり、北極圏における競争相手とみなされている。中国は経済、科学、軍事的な影響力を拡大し、重要なインフラや資源を支配し、国際的なルールに基づく秩序を再構築しようとしている。

グリーンランドが北アメリカ防衛において重要であることを踏まえると、同地における中国の影響力は「リスク」、場合によっては脅威とみなされている。

ホイットニー・ラッケンバウアー氏は、カナダのトレント大学の教授であり、北極圏の安全保障、歴史、現代政策に関するカナダ有数の専門家の一人である。また、北極圏北米研究所のフェローも務めている。

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