トランプが雇いたくない「政敵リスト」を公開、その一人のボルトン元補佐官が政権の将来を予測【トランプ2.0】
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月21日 14時47分
自身もタカ派として知られたボルトンだが、トランプ=マスク・チームの前では常識派 Mario Cantu/CSM/Sipa USA(Credit Image: © Mario Cantu/Cal Sport Media/Sipa USA)
ナタリー・ベネガス
<超タカ派のネオコンとして知られ、今は「政敵ナンバーワン」となったトランプ政権1期目の大統領補佐官ジョン・ボルトンが、ゼレンスキーとの会談にイーロン・マスクを同席させた行為こそトランプ2期目の行く末を象徴していると語る>
1月20日、ついに2期目のドナルド・トランプ大統領が誕生した。
1期目のトランプ政権で大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を務めていたジョン・ボルトンが、2期目トランプ政権がどのようなものになるかを予測した。
1980年代のロナルド・レーガン以来、共和党のすべての大統領に仕えてきたボルトンは、最初のトランプ政権で17カ月間、国家安全保障問題顧問を務めた後、2019年9月に辞任した。トランプは、自分のほうからボルトンを解任したと主張している。
辞任してからのボルトンはかつての上司に批判的で、昨年9月にはCNNに対し、2024年大統領選の大統領候補として、トランプは共和党にとって「受け入れられる」候補ではなかったと語っている。
トランプはホワイトハウスのブラックリストに載っている人物を名指しで貶めたが、その中には、以前にも2期目のトランプの危険性について発言したボルトンも含まれている。
19日にイギリスのLBCラジオに出演したボルトンは、司会者のルイス・グドールに、トランプの2期目は1期目と比べてどうなるかと質問された。
ボルトンは、トランプの2期目も1期目と同じように「混沌」としたものになるだろうと予測し、トランプには「職務に必要な自制心」がないために、1期目と同じことが繰り返されるだろうと付け加えた。
「2期目は混乱に満ちたものになるだろう。まさにトランプらしいともいえる。ある日は中国に60%の関税をかけると言い出し、次の日にはメキシコ湾の名前を変えようとぶち上げ、イスラエル政府にガザ停戦に同意するよう強要する。非常に荒っぽい動きをすることになると思う」
「トランプが2期目で政府高官に求めているのは、言いなりになるイエスマンとイエスウーマンだ。すでに公表されている閣僚指名候補者の面々を見ると、全員に共通するのは、ボスに対して躊躇なく『イエス』と言うことだ。皮肉なことに、それは長い目でみればトランプに良い結果をもたらさないし、アメリカにも悪い影響をもたらだろう。それは確かだ」
トランプは15日に自身のSNSプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、ボルトンを含む1期目のトランプ政権に仕えた数人を名指しで批判した。彼らは過去にトランプに反旗を翻した人々なので、彼らと彼らに関連する人は誰であっても次期政権では採用しないので知らせてほしい、という内容だ。
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