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ガザを「解体現場」にしたのはそもそも誰か?── イスラエル極右と同調するトランプにアラブの報い

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月27日 20時1分

移動の時期について尋ねられたトランプは、「一時的なものかもしれないし、長期的なものかもしれない」と答えた。

トランプは大統領就任初日、ガザについてこう語っている。「本当に何か別の方法で再建しなければならない。ガザは興味深い。海に面していて、立地は素晴らしい。気候は最高で、何もかもがいい。何か素晴らしいことができるかもしれない。とにかく興味深い」

 

また、エアフォースワンの機内での記者との会話の中で、トランプは、バイデン前政権が停止していたイスラエルへの重量2000ポンド(約900キロ)の大型爆弾MK84の供与を再開したことを発表した。この爆弾を「イスラエルは長い間待っていた」と語り、再開の理由として「彼らが買ったから」と付け加えた。

イスラエルとハマスは最近の合意に基づいて19日より停戦を開始、パレスチナ人捕虜とイスラエル人質の交換が2度にわたって行われた。

エジプトのモタズ・ザーラン駐米大使は26日、ワシントンの政界ニュース紙ザ・ヒルに寄稿してこう述べた。「イスラエルはガザにいる100万人を超える住民の立ち退きを求めているが、これは実行不可能なだけでなく、占領側の法的義務に違反しており、人道的な危機を招く恐れがある」

「立ち退き提案はさらに、公平と正義に基づく2国家解決の考えとも相容れない。住民から祖国を奪い、永続的な難民状態に置くことは、恒久的な政治解決に向けて前進することにはならないし、嫌悪感を生み、苦しみの感情、そして復讐心からの暴力という形の反応に火を付けることになる」

 

ザーランはこうも述べた。「エジプトの立場ははっきりしている。パレスチナ人をシナイ半島に移すことを含むいかなる解決案にも与することはできない。そうした動きは第2のナクバ(大災厄、48年5月のイスラエル建国に伴い、英委任統治領パレスチナから75万人以上の住民が追い出された)の引き金を引くことになるだろう。つまりそれは、先祖伝来の土地と断ち切ることのできない絆で結ばれ、困難に遭っても立ち上がる力を持つ民族にとっての、想像を絶する悲劇だ」

トランプと親しいリンゼー・グラム米上院議員(共和党)は、26日朝にCNNの番組でこう述べた。「すべてのパレスチナ人が(ガザを)去ってどこかに行くという案は、あまり現実的とは思えない。彼(トランプ)が何のことを言っているのか分からないが、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子やアラブ首長国連邦(UAE)、エジプトと話してみるといい」

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