AI革命は、アメリカではなく中国から低料金でやってきた!?【トランプ2.0】
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月28日 18時20分
ピチャイは1月20日に行われたトランプの大統領就任式に、テスラおよびXのCEOであるイーロン・マスク、アマゾンのジェフ・ベゾス、メタのマーク・ザッカーバーグらと共に出席していた。同じく就任式に出席していたオープンAIのサム・アルトマンにとっても大打撃だった。
エヌビディアの株価は27日のニューヨーク株式市場の取引終了時点で前週末比17%下落した。時価総額で約6000億ドルの大損というのは、米上場企業が一日に失った金額として史上最大で、スウェーデンのGDPに匹敵する。CEOのフアンの保有株の評価額は推定207億ドル減少した。
AI向け半導体大手ブロードコムの株価も17%以上下落。一方で「安全資産」の債券価格は上昇した。
マイクロソフト株とアルファベット株はそれぞれ2.5%以上下落、ハイテク関連銘柄が多いナスダック総合指数は3.1%安で取引を終えた。専門家は、もしもオープンAIが上場企業だったら、さらに大幅な下落を記録していた可能性があるとみている。
マスクが率いるEVメーカーのテスラは、運転支援機能サービス「フルセルフドライビング(FSD)」とロボタクシー構想を通じてAIに関与しており、株価は2.3%下落した。
マスクは同社の株式の13%を保有しており、27日の株価下落で彼が被った損失額は推定で約12億2000万ドルにのぼる。ちなみに、マスクがツイッター買収に費やした金額は440億ドルだった。
主要なAI関連企業の中で株価が上昇した数少ない企業の一つがメタで、前週末比1.91%上昇した。フェイスブックの親会社であるメタは、ディープシーク同様にAIをオープンソースで提供している。
しかし同社は24日、2025年にAI関連で600億~650億ドルの巨額投資を行う計画を発表したばかりで。コスト面でディープシークに対抗できるかが不安視されている。
アップルとアマゾンも底堅かった。複数のアナリストは、アップルが単体のAIシステム構築よりも自社製品への統合に集中している点が業績を押し上げていると指摘した。この傾向は、アップルの最新製品の発売以降、特に顕著だという。
アマゾンも、株価が約0.25%とわずかながら上昇した。
ディープシークの技術的ブレイクスルーは、AI分野における中国の脅威を一気に高めた。ディープシークが成功すれば、安全保障上の懸念からアメリカ製AI半導体は中国には売らないといくらアメリカが息巻いても意味がなくなってしまう。
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