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「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月29日 14時30分

孫正義、アルトマンらのAI事業は......

5点目は、政治課題化がほぼ避けられたということです。DeepSeekは中国の会社ですから、政治的にセンシティブなキーワードを入れると回答を返してきません。また、そうした政治的にセンシティブな問題を意図的に取り上げて、利用環境を乱す動きは、サイバー攻撃とみなして摘発するとしています。ですが、現在のアメリカの政財界は、そうしたDeepSeekの姿勢を政治的に批判することは控えています。

現時点では、DeepSeekは、中国の国コード「+86」から始まる携帯電話がないと新規の利用者登録はできなくなっています。これは、この種の干渉を防止するということと、恐らくはアクセスが殺到しているので、リソースの拡大に時間がかかっているのだと思われています。アメリカ側はこうした点についても冷静であり、寛容です。

というわけで、27日に起きたパニックは1日で沈静化しました。AIの開発競争に関しては、全体的な景色は一変しましたが、シリコンバレーはヤル気満々です。但し、ソフトバンクの孫正義氏、オラクルのラリー・エリソン氏、ChatGPTのサム・アルトマン氏の3人が提案している5000億ドル(約78兆円)の投資計画は、少し話が別になります。電源などのインフラ投資を含むこの計画については、10倍近い高効率を達成した「DeepSeek後の世界」では、前提条件からの見直しが必要という声が上がっているからです。

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