トランプ大統領、航空機墜落事故を巡りオバマ・バイデン政権とDEI政策を非難した理由とは?
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月31日 15時20分
事故は東部時間の水曜日午後9時直前に発生し、現在も救助活動が続いているため、正確な犠牲者数は不明。連邦航空局(FAA)は、「CRJ700型リージョナルジェット機が、レーガン・ワシントン・ナショナル空港の33番滑走路への進入中に、シコルスキーH-60型ヘリコプターと空中衝突した」と発表した。
ヘリコプター操縦士を標的に
事故原因の調査はまだ終了していないが、トランプ大統領は記者会見で「非常に強い意見を持っている」と発言。事故の原因について、操縦士やヘリコプター管制の「能力不足」によるものだと非難した。
「20/20の視力(正常な視力)を持つ人間が、何が起こっているかを見落とすなんて考えられない」とトランプ氏は指摘した。
また、「アメリカン航空のパイロットはすべて正しく対処していた」とし、「なぜかヘリコプターが同じ高度にいて、しかも角度をつけて飛んでいた。本当に信じられないほどひどい」と批判した。
「ヘリコプターはそのまま飛行を続け、少し方向転換したものの、すでに手遅れだった。本来、同じ高度にいるべきではなかった。異なる高度にいれば、上を飛ぶか下をくぐるかのどちらかで回避できたはずだ」と述べた。
トランプ氏は、バイデン政権が定めた航空関連の基準と自らの基準が「完全に正反対」だと強調した。また、この「甚大な悲劇」を受け、FAA(連邦航空局)の新たな長官代行としてクリス・ロシュロー氏を任命。ロシュロー氏は航空業界団体のトップ幹部だった。
さらに、トランプ氏は今回の事故の数日前に、TSA(運輸保安庁)の長官を解任し、航空保安諮問委員会を廃止。その理由について、「国土安全保障省(DHS)の活動が国家安全保障を最優先するよう、リソースの誤用を排除するため」と説明した。
「一つの国として、突然命を奪われた尊い魂を悼む」とトランプ氏は述べ、「本当に私たちは喪に服している。この事故は多くの人々に衝撃を与えている」と語った。
トランプ氏の主張に反発の声
米上院議員のゲイリー・ピーターズ氏は、MSNBCの番組「モーニング・ジョー」でトランプ大統領の発言を「無責任」だと非難した。
「率直に言って、何が起こったのかについて憶測を流すのは極めて無責任だと思う」とピーターズ氏は述べた。「まずは事実を明らかにすべきだ。事実は比較的早く判明するだろうし、徹底的な調査が必要だが、それには時間がかかる。我々はそのプロセスを尊重しなければならない」
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