トランプ=マスクの連邦職員200万人解雇の脅しに、DEIの「equality」さえ危ないと書き込みから削除するリベラルエリートの悲哀
ニューズウィーク日本版 / 2025年2月5日 20時17分
「恐怖心とパラノイア(妄想性障害)のレベルも極端に高まっている。同僚の多くは、一週間の大半を費やしてウェブサイトを調べ、DEI(多様性、公正性、包括性)プログラムに関する言及をすべて削除していた」
「『公平性(equity)』という言葉さえ、省内外のデジタルプラットフォームから削除されている。これは、私の部署の最高レベルからの命令だ。職員たちは、トランプ政権の意にそぐわない表現が一つでも見つかれば解雇されるのではないかと怯えている」
米中西部の保健福祉省に勤める別の連邦職員も同じように感じている。
「全体的なムードは、不安、不信、狭まる包囲網だ」「我々の仕事は常に過小評価され、時には感謝されていないとさえ感じたが、いまは標的にされたとはっきり感じる」
マスクが連邦職員に送ってきた『重大な岐路(Fork in the Road)』というタイトルのメールは、条件のいい早期退職でいまやめるか、後で職を失うか、という二者択一を迫った旧ツイッター社員のやり方にそっくりだという見方もあるという。
連邦政府人事管理局が200万人以上の連邦職員に送ったこのメールは、辞職と引き換えに約8カ月分の給与を出すというもので、政権側は職員の5〜10%がこの提案を受け入れると予想していた。それでも職にとどまり、トランプに対する抵抗を示す職員もいる。
メリーランド州ボルチモアでソーシャルセキュリティ・アナリストとして20年働いてきた連邦職員マット・ウィルソンは、身分を明かした上で取材に応じてくれた唯一の職員だが、連邦政府人事管理局からのオファーを受けようとしている人は一人も知らないという。
「早期退職のオファーに乗ろうという人とは一人も話していない」とウィルソンは述べる。「我々の奉仕精神は強力だ。米国民が我々に期待する重要な仕事を、現在も将来も続けていく」
一方、メイン州にあるポーツマス海軍造船所を拠点とする国防総省の職員は、「テレワークがなくなれば、もっと多くの人が辞めるだろう」と言う。「年配の職員は、退職金の権利確定期間の問題があるので留まるかもしれない。若い職員は出て行くだろう」と付け加えた。
(翻訳:ガリレオほか)
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