1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

「掘って掘って、掘りまくれ」トランプ2.0のアメリカは石油人脈が仕切る

ニューズウィーク日本版 / 2025年2月6日 14時38分

ちなみに石油業界代表のソマーズは、「アメリカの消費者は電動化を望んでいない」と反論している。また35年までに在来型ガソリン車のほとんどの新規販売を禁止するとのカリフォルニア州の計画には、自動車業界も石油業界も反対している。

ただし気候変動への国際的な取り組みに関しては、APIはあえて触れていない。例えばパリ協定からの離脱は求めていない。

「アメリカ政府がパリ協定にとどまるか否かにかかわらず、石油業界は今後も、自らの事業において排出削減の努力を続ける」とソマーズも語っている。

昨年11月にアゼルバイジャンで開催されたCOP29(国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議)では、エクソンモービルのダレン・ウッズCEOがアメリカのパリ協定「再離脱」は望まないと語った。

そんな政策転換は「多くの不確実性を生み出す」だけで事業に悪影響を及ぼす。ウッズはウォール・ストリート・ジャーナルにそう語っている。

石油業界の独り勝ちに

APIが独自のエネルギー政策「ロードマップ」を発表した頃、トランプの指名したエネルギー・環境関係の閣僚候補たちは連邦議会に赴き、承認のための公聴会に臨んでいた。彼らの実績も主張もAPIの提言と見事なまでに一致している。

トランプがエネルギー長官に選んだクリス・ライトは、フラッキング(水圧破砕法)で岩盤中の天然ガスや石油を掘りまくっている会社リバティ・エナジーのCEO。

EPA長官に推挙されたリー・ゼルディンは元下院議員で、環境保護有権者連盟によると、在任中の彼は環境保護関連の採決でわずか14%しか賛成票を投じていない。もちろん主要な気候変動対策には反対した。

内務長官に起用されたダグ・バーガムは前ノースダコタ州知事で、昨年の大統領選では共和党の予備選に出馬していた。当時、彼は「バイデン政権のエネルギー政策を百八十度転換する」と叫んでいた。

見てきたとおり、2期目のトランプ政権はバイデン時代のエネルギー政策の撤回を急いでいる。ホワイトハウスの若き報道官キャロライン・レビットもX(旧ツイッター)への投稿で、これからは化石燃料一直線だと吹聴している。

「もっと掘ってガソリン代を安くしてくれとトランプ大統領に要求してきた国民の皆さん、安心してください。ジョー・バイデンの政策はもう終わりです」。

レビットはそう書き、トランプの大好きなスローガンを繰り返した。「そう、私たちは掘って掘って、掘りまくります」

This is a disgraceful decision designed to exact political revenge on the American people who gave President Trump a mandate to increase drilling and lower gas prices. Rest assured, Joe Biden will fail, and we will drill, baby, drill. https://t.co/NvWx7oA2vU— Karoline Leavitt (@karolineleavitt) January 6, 2025

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください