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日本企業の海外進出に注目高まる「グローバルサウス諸国と治安リスク」

ニューズウィーク日本版 / 2025年2月6日 12時41分

公開したビデオ動画にはジェマーイスラミアの幹部16人が映り、組織を解散し、今後はインドネシア国家に従順し、法令を遵守していくことを宣言した。

解散に至った背景には、組織の中で暴力的な聖戦への関心が集まらなくなったことなどが考えられるが、2002年10月にはバリ島で外国人観光客が集まるナイトディスコを狙った爆弾テロを実行し、200人あまりが死亡した。

死亡者の多くはオーストラリア人だったが、現場にいた日本人2人も犠牲となった。

その後も、2003年8月のジャカルタ・マリオットホテル爆弾テロ(12人死亡、約150人負傷)、2004年9月のジャカルタ・オーストラリア大使館前爆破テロ(9人死亡、約150人負傷)、2005年10月のバリ島・同時爆破テロ(邦人1人を含む23人死亡、約200人負傷)、2009年7月のジャカルタ・マリオットホテル及びリッツカールトンホテル連続爆破テロ(9人死亡、約50人負傷)など欧米人を狙ったテロ事件が相次ぎ、この当時インドネシアは世界的にも1つのテロの震源地だった。

そのジェマーイスラミアが解散を宣言したことは、インドネシアのテロ情勢にとって大きな明るい兆しとなったが、解散という決定に納得がいかないメンバーも存在し、そういったメンバーたちが新たな過激組織を結成する可能性は否定できない。

アフガニスタン発のテロリスクを警戒するインド

また、多くの日本企業の注目が集まるインドだが、幸いにもインドでは久しく大規模なテロは報告されていない。

しかし、インドでは宗教行事や政治イベントなどが開催される際、情報機関などが頻繁にテロ警戒アラートを発信しており、テロの潜在的リスクは常にあると見るべきだろう。

近年では2019年4月のスリランカ同時多発テロの際、テロを実行した地元のイスラム過激派ナショナル・タウヒード・ジャマーのメンバの中には、インドで活動するイスラム国支持者と連絡を取り合っていた者がいた。

また、2021年夏にアフガニスタンでタリバンが実権を掌握して以降、インドはアフガニスタン発のテロリスクを常に警戒している。アフガニスタンでは依然としてアルカイダが存在し、タリバンやハッカーニ・ネットワーク、インドが特に警戒するラシュカレ・タイバなどのイスラム過激派と密接な関係にあるとされる。

様々な統計があるが、アルカイダのメンバーは国内に400人から600人ほど存在し、インド亜大陸のアルカイダのメンバーも150人から200人いるとの統計もある。

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