1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

連邦政府職員を「ディープステート」として国民の敵に仕立てて粛清し、トランプが得るものとは

ニューズウィーク日本版 / 2025年2月6日 16時34分



中でも最も給与が高いのが、金融業界の規制を担う米証券取引委員会(SEC)だ。人事局によれば、SECの平均給与額は21万3844ドル。職員の数は5000人弱だ。

一方、主な連邦機関の中で最も低給なのは米農務省。農務省の職員は9万2000人超で、平均給与額は年間8万6425ドルだという。

だが連邦職員たちは本誌に対して、給与が全てではないと語っている。彼らは合衆国憲法を守ることが自分たちの第一の責務であり、違法な命令には従わないと述べた。

ニューイングランドにある連邦機関で働くある職員は「連邦職員には違法な命令に背く権利がある。憲法を守る使命があるからだ」と語る。「連邦議会議員と同じこの誓いを、私たちは真剣に受け止めている。この国を愛しているし、自分たちの使命を信じている」



メリーランド州で働く米国市民権・移民業務局のある職員はこう述べた。「私は(入局にあたって)憲法に対して宣誓したのであって、大統領にではない。リンカーンが述べたように、この国の政府は『人民の、人民による、人民のための』ものだ。現政権はそれを思い出す必要がある。われわれはアメリカ国民に仕えているのであって、大統領にではない」

Hold the line! We made an oath to protect the constitution from threats, both foreign and domestic. byu/SarahOfBramblewood infednews



別の国防総省の職員はトランスジェンダーであることから「多大なストレスにさらされている」と言う。「新政権には完全に頭にきている」

トランプは就任早々から、新政権はトランスジェンダーに対する全国レベルの保護政策を取りやめようと動いている。19歳未満の若者の性転換治療に対する連邦政府からの支援停止を盛り込んだ大統領令がその一例だ。



国防総省に対しては、トランスジェンダーを軍務から締め出すための政策を再検討するよう指示した。性別は男性と女性しか認めないとする大統領令にも署名している。

トランスジェンダーの人々の権利を狙い撃ちするという戦術は、トランプの選挙運動でも特に効果を上げたものの1つだった。

トランプの選挙広告には、カマラ・ハリス副大統領(当時)が服役中のトランスジェンダーの人々の性転換治療を支持すると語る20年の大統領選挙の時の動画がしばしば使われた。キャッチフレーズはこうだ。「カマラは連中の味方。トランプ大統領はあなたの味方」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください