ボカロP・GYARI最新曲『進捗ダメダメです』ジャジーな音とダメ主人公のギャップに「これわたしのことだ…」「今から勉強やります」の声

ニコニコニュース / 2025年1月23日 15時0分

　今回は、GYARI（ココアシガレットP）さんが2024年12月27日に投稿した「進捗ダメダメです」を紹介する。
　代表曲「何でも言うことを聞いてくれるアカネチャン」が、2024年12月28日に7周年を迎えたGYARI（ココアシガレットP）さん。

　1月8日公開のBillboard JAPAN“ニコニコ VOCALOID SONGS TOP20”においては、4位をキープしたことでも注目度の高い作品だ。

文／小町碧音（こまちみお）

　主人公の宮舞モカが繰り広げる「宿題を終わらせる」奮闘劇で、思わず「これが音声合成？」と驚いてしまうほどの生々しい明瞭なモカの歌声に、意志の強さを強調するジャジーな音色が違和感なく溶け込む。
　一方で、その力強さとは正反対のMVと歌詞から放たれるやる気のなさが楽曲全体を支配していることで生まれる猛烈なギャップが中毒性の根源。

　モカのやる気は散らばり気味で、ティータイムを始めたり、仕舞にはリズミカルな寝息を立てて眠ってしまい、気付けば一日も残り僅か。そんな中、先輩の弦巻マキから週末の遊びの誘いメッセージが届くと、「宿題終わってないけど行きます！」と宿題そっちのけで即答するモカの後輩感が微笑ましい。

　そんなグダグダな現実とは裏腹に、サビでは一転、頭の中でDJリミックス会場がスタート。“進捗カス”ぶりを光らせ、今宵もパーリナイ！ひとり熱狂するフロア。状況を理解していない時ほど、頭の中では盛大なダンスパーティーが繰り広げられている現実が見事に具現化されていて、笑いが止まらない。

　後半に差し掛かり、「桜乃そらの進捗すすむには」チャンネルの動画で「とにかくやれ!!」という解決法を桜乃そらから受けたモカは、「電光石火の風林火山で爆速です」と叫び、大泣きしながら全力で宿題に取り掛かる。

　スーパーヒーローが誕生。まばゆい光を浴びながら「涙枯れようとこの身朽ちようと命燃やし進め！」と歌う強気なシーンでは、画面右下に小さく（命は燃やさないでください）という注意書きが表示されているのも見逃し厳禁の最大の可笑しいポイント。

　モカが「完璧に間に合いますよ」とピースサインを決めるとすぐに、理想的な転調ポイントへ。最後は気持ちよく締めくくりたいところで、まさかの飼い猫のワトソンくんがマグカップの飲み物を宿題にこぼしてしまうというハプニングが発生する。
　ラスサビのDJリミックス会場は燃え上がり悲惨な結果を迎える最後は、あまりにも主人公のダメダメっぷりが表れていて「もっと前からやっときゃよかった～！」に「これ、私の口癖だ」と巻き起こる共感の嵐。

　本楽曲の最大の魅力は、意志の強さを感じさせるジャジーでドラマティックなサウンドと歌声、コミカルでダメダメな主人公というギャップの妙にあると言えるだろう。
　一度聴いたら耳から離れない軽快なメロディーとサビのキラーフレーズ「進捗ダメです」。突然急降下する絶叫系アトラクション並みの存在感はランキングにも現れた格好だ。