オセロ、けんだま…娯楽なき世界に楽しみを！『悪役令嬢の怠惰な溜め息』は退屈な世界に“楽しい”を生み出す少女の奮闘記

　もしも憧れの異世界転生をしたとして、その世界にはスマホやゲームなどが存在する保証などないわけで…….果たしてあなたは生きていけるでしょうか？

　ニコニコ漫画「FLOSコミック」にて連載中の『悪役令嬢の怠惰な溜め息』では、そんな娯楽とは無縁な乙女ゲー世界に転生した主人公が一念発起！

　「シナリオが始まる前に退屈で死んでしまいそう」という切実な悩みを抱えた彼女は、ある意外な方法でバラ色の人生を作っていきます。

ニコニコ漫画『悪役令嬢の怠惰な溜め息 』エピソード一覧

作画：ほしの総明（@osome_h）
原作：篠原皐月（「小説家になろう」マイページ） 
キャラクターデザイン：すがはら 竜（@ryu_sugahara）

10年後の国外追放ルートを回避せよ！

　現代社会で暮らしていたアラサー女子の主人公が、ある日突然6歳の幼女へと転生。

　自分のことをエセリアと呼ぶメイドの様子から察するに、ここは自分が遊んでいた乙女ゲーム“クリスタル・ラビリンス”の世界であると確信します。

　作中におけるエセリアは、隠しキャラのナジェーク攻略ルートに入るためにお近づきにならねばならないキーキャラクター的な立場。

　しかし現状はゲームシナリオが本格的に始まる前の幼少期ということで、彼女はひとまず家族に対し愛想よく振る舞うのですが……。

　そんなエセリアの様子を見て、両親や兄姉たちは怪訝そうな表情を浮かべます。

　どうやらエセリアは、幼いころからワガママ三昧で周囲を困らせていたようでした。

　そうしたワガママぶりがたたって、10年後には特定のルートで国外追放の憂き目に遭う可能性もあるエセリア。

　どうにか国外追放だけは避けねばなるまいと、彼女の水面下での奮闘がここから幕を開けます。

国外追放よりも退屈が耐えられない！

　そんなわけでエセリアとして生きていくことになったものの、果たして何をどうすれば国外追放を回避できるのやら。

　何しろゲームとしてのシナリオが始まるのは、“クレランス学園”に入学してからさらに1年が過ぎた16歳のころなわけで……。

　スマホもゲームも薄い本もない世界で暮らしていくなんて、元現代人の彼女にとっては苦痛でしかありません。

　作中ではあまり描かれなかった幼少期なだけに、娯楽がチェス程度しかなかったことに嫌気が差したエセリアはあることを思いつきます。

　それは、自分自身の手で新たな娯楽を作り出すこと！

　“楽しい”は正義。それを生み出す行為とあらば、誰にとがめられようはずもありません。

　こうしてエセリアは国外追放回避をひとまずそっちのけで、娯楽発明家として名を馳せていくことになります。

　エセリアが最初に着手したのは、ルールを覚えるのが大変なチェスに代わって手軽に遊べるテーブルゲームの作成。

　心優しい姉・コーネリアからの助言も受けながら、現代知識を活用して生み出したのは……。

　……8×8の正方形の盤面と、表裏で白黒に塗りわけられた石のセット。

　そう、まさしく現代人ならば誰もがよく知るあの“オセロ”だったのです！

娯楽の発明がバラ色の将来につながると信じて……！

　娯楽の乏しい乙女ゲー世界に、工夫をこらしてどうにか“オセロ”を作り上げてみせたエセリア。

　ちゃっかり“逆転（カーシス）”なんて命名していますが、この世界においては十中八九発明者なのでとやかく言われる筋合いはないでしょう。

　そんな“オセロ”改め、“カーシス”はシンプルながらも奥深い戦略性からすぐに周囲に受け入れられます。

　するとエセリアは、ついつい攻略指南に力がこもってしまい「これは人生と同じなの」と熱弁！

　年不相応なことを口走ってしまったと気付いたころには、後の祭り……。

　……と思いきや、意外にもエセリアの発言は周囲も好意的に受け止めてくれたのでした。

　こうして、娯楽創造の試みが後のルート分岐にもいい影響を与えるのではないかと思った彼女は、さらなるチャレンジを重ねていくことに！

　すべては自分と皆の“楽しい”のため（ついでに国外追放回避のため）、周囲に刺激と感動をもたらしていくエセリアに待つ未来とは!?

　憧れの乙女ゲー世界で“けんだま”を振り回すなど、斬新すぎる彼女の今後の活躍が気になった方はぜひ続くエピソードをチェックしてみてください。

『悪役令嬢の怠惰な溜め息』コミックス第3巻は2021年9月3日より発売中！

（画像はニコニコ漫画『悪役令嬢の怠惰な溜め息』より）

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