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大鶴義丹、テント横で見ていた父唐十郎さんの姿「一番の弔いは、みんなで父の芝居をやっていこうと」

日刊スポーツ / 2024年5月5日 18時53分

父唐十郎さんについて語る大鶴義丹(撮影・江口和貴)

劇作家唐十郎(から・じゅうろう)さん(本名大鶴義英=おおつる・よしひで)が4日午後9時1分、急性硬膜下血腫のため、都内病院で亡くなった。84歳。1日に自宅で転倒し、救急搬送されたという。

唐さんの長男の俳優大鶴義丹(56)は、この日、東京・渋谷伝承ホールで舞台「後鳥羽伝説殺人事件」に出演。殺人事件解決に奔走する広島・三次警察署の刑事森川浩太役を演じた後、エンディングの祭りの法被姿を刑事のスーツに着替えてアフタートークを終え、会見に臨んだ。

唐さんは、劇作家として多くの作品を残した。

大鶴は「幸いなことに父は、一人の役者が一生でやりきれないぐらいのたくさんの戯曲を残してくれたんで。今、僕自身も関わってる劇団で、それを演じたり、作ったりもしてるんですけど。それを残してくれたっていうのは宝物を残してくれたということ。僕らの世代が下の世代に、父の『状況劇場』の芝居を見てなかったような世代にも伝えることができる。もう山のような数の戯曲を残してくれて、幸せだなって改めて思います」と話した。

父大鶴義英の姿は演劇人唐十郎だった。「いや、本当にね。テントの横でいつも子供なから見てたんですけども、うれしそうにこうテントの舞台の上に飛び込んで来るんですよね。僕は、後ろで見てるんですけど『行ってくるぞ』と、ここが本当に自分が幸せに生きる空間なんだっていう感じで。本当に楽しそうに舞台の上に飛び込んでるんで。その姿っていうのは。いつも後ろから見てましたね」。

舞台に出ることは、生身の観客と向き合うことだ。「自分自身も、舞台の芝居なんかをたくさんやってるんですけど、やっぱり舞台に出てるって重圧がある。もっと経験のある俳優さんに聞いても、やっぱりみんな重圧があると。決して心地いいものだけじゃないんですけど、うちの父はいつも100%心地よい空間に行くかのように劇空間に飛び込んで行ってましたね。その姿は、しっかり覚えてますね」

唐さんが残したものは、大鶴をはじめとする次世代が受け継いでいく。「いろいろな父の劇団から置かれた劇団や俳優さんもいます。僕も今年、1つ父の作品をやる予定が元々決まっていた。父は、もうとにかく芝居が好きで、芝居しか考えてなかった。なので、一番の弔いは、とにかくみんなで父の芝居をやっていこうと。それだけの数の戯曲もありますし。もうそれしかないですね」と話した。

2014年(平26)に、唐さんが主宰した「状況劇場」出身の金守珍が代表を務める劇団「新宿梁山泊」で、唐さんの戯曲「ジャガーの眼」に主演した。

「父の戯曲で最初に主演をやらせてもらった。父の作品としては、中期の後ろぐらいの方。父が演じた役をやってるんですけども、すごく幸せでした。今年もまた、それをやるのですが、すごく幸せな時間かなと思います。なんか昔から父と声が似てるって言われるんですね。昭和の時代に僕が電話に出て「はい、大鶴です」って言うと、もう99%が『唐さん?』って言ってきた。父の役をテントなんかで演じていると『全く同じ声だね』って言ってくれる昔のファンの方がいるんです。なんかね、親と似てるってのはるんだけど。全く同じ声だねって言われるとね、いつもちょっとうれしくなっちゃうんです」と笑顔を見せた。

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