「最後の室井を見届けて欲しい」映画「室井慎次 生き続ける者」亀山千広プロデューサー
日刊スポーツ / 2024年10月30日 16時34分
映画「室井慎次 生き続ける者」(本広克行監督、11月15日公開)マスコミ試写会が30日、都内の東宝本社で開かれた。試写後、BSフジ社長の亀山千広プロデューサー(68)とフジテレビドラマ・映画制作局の臼井裕詞局長(57)が登壇し「緊急特別捜査会議」マスコミ記者会見が開催された。
この日は、公開前1度きりのマスコミ試写会で、上映されたのは最終調整中の未完成版だった。亀山氏は「試写をやるつもりはなかったが…完成版ではないが一応、出来上がったものをお見せした」と説明。その上で「ご覧いただいた通り、最後の室井慎次の姿だと思う。最後の室井を見届けて欲しい」と強調した。
本作は、12年に公開された「踊る大捜査線 THE FINAL」以来12年ぶりにシリーズを代表する脚本家で「容疑者 室井慎次」では監督も務めた君塚良一氏(66)が脚本を手がけ、監督はドラマシリーズのチーフ演出から「容疑者 室井慎次」以外の劇場版の監督を務めた、本広克行監督(59)が復帰。亀山氏含め「踊る大捜査線」シリーズを生みだし、日本屈指のコンテンツに成長させた、3人のレジェンド製作陣が集結した。
亀山氏は、企画のきっかけが「一昨年の12月、君塚さんから『室井を書きたい。本広監督と3人で仕事ができないか』と」と君塚氏からのメールだったと説明。「会って話をしたら、書きたかった一番大きい理由は、柳葉さんを室井から解放したかった」と、君塚氏が室井と演じる柳葉ありきで新作の製作を熱望したと明かした。「刑事、黒いスーツ、オールバック、反社の役もやってこないくらい大事にしてきた…だからこそ、人生の節目を付けた方が良いと。室井を払拭したいという思い…解放してあげたいなと」と、室井という役に誇りとこだわりを持ち、演じた後の俳優人生の役柄選びさえ自らにおきてを課した、柳葉への思いがあったと繰り返した。
物語は、警察庁長官官房審議官になって警察の組織改革に挑むも、27年前に湾岸署の刑事・青島俊作とかわした約束を果たせなかったことを悔やみ、職を辞して故郷の秋田に帰京した室井を描く。捜査し、次々と犯人を逮捕してきたものの、その過程で見過ごしてきた事件の被害者、加害者家族を支援したいという思いから、そうした子供たちと穏やかに暮らす、血縁がないながらも、家族になっていく室井と子どもたちを描いた。10月11日から公開された「室井慎次 敗れざる者」と「-生き続ける者」と、映画2本立てとなった理由については、プロット(あらすじ)段階で分量が相当、多かったと説明。「2時間じゃなく6時間くらいで描きたかった。およそ作った分、プロットは5時間分あった」と明かした。
「踊る大捜査線」12年ぶりのプロジェクト再始動とうたっているが、亀山氏は「再始動するつもりで動いたわけじゃない。この作品をやるために」と、本作ありきだと強調した。一方で、シリーズの今後について、臼井氏は「亀山さん次第」と語った。
この日は、98年10月に映画第1弾「-THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間」の公開日前日から26年の日だった。「室井慎次 敗れざる者」は全国381館で公開となり、2週連続で週末観客動員No.1を記録。その大ヒットの中、「-生き続ける者」は11月15日の公開に先駆け、同8~10日に「-敗れざる者」を上映中の全国381館での先行上映も決まっている。
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