【王将戦】藤井聡太王将が白星発進、得意静岡で８戦８勝 25年最初のタイトル戦飾る

永瀬拓矢九段（左）が藤井聡太王将（右）に挑む王将戦7番勝負第1局は2日目が再開された（日本将棋連盟提供）

藤井聡太王将（22）が4連覇へ逆転勝ちの白星スタートを切った。13日、静岡県掛川市「掛川城　二の丸茶室」で行われた将棋の第74期ALSOK杯王将戦7番勝負第1局で挑戦者の永瀬拓矢九段（32）を下した。

12日午前9時からの2日制で始まった対局は、積極的に踏み込んだ先手の永瀬に押され気味のまま終盤までもつれ込んだ。決め手を欠いた永瀬に対し、粘って局面をひっくり返し、辛くも勝ちを拾った。藤井はこれで掛川での王将戦開幕局3連勝。静岡県内のタイトル戦も8戦8勝として、新年初のタイトル戦を勝利で飾った。第2局は25、26日、京都市「伏見稲荷大社」で行われる。

永瀬に傾いていた評価値がググッと藤井に傾いた。最終盤、永瀬の攻めのしのいで、ようやく手番が回ってきた。こうなれば得意の終盤力が生きる。永瀬陣を攻略して、寄せきった。

後手番としての課題を今年最初のタイトル戦でいきなり突きつけられた。相掛かりの出だしから1筋を突かれ、立ち遅れた。そんなに前例がない局面を見せられ、対応に追われて時間を削られて形勢を損ねる。相手の思うように動かれ、リードを許したまま押し切られるタイトル戦での負けパターンから、しっかり局面を読み切って、攻略の手順を用意していた。

2年ぶりの掛川開幕。22年は渡辺明王将（当時）を下して奪取し、23年は羽生善治九段を下して初防衛へと足掛かりを築いた。永瀬と初めて2日制で戦う今シリーズ、次は7戦7勝と相性のいい京都府開催となる。序盤の連勝で優位に立ちたい。