斎藤元彦知事が追悼式典で訴え 阪神・淡路大震災30年「災害はいつどこで起きるか分からない」
日刊スポーツ / 2025年1月17日 13時24分
兵庫県の斎藤元彦知事(47)は17日、1995年の阪神大震災の発生から30年となったこの日、神戸市で行われた県などの主催による追悼式典に出席し、式辞を述べた。
式典には、天皇、皇后両陛下も出席された。
斎藤知事は「ふるさとに未曽有の被害をもたらした阪神・淡路大震災から、30年の歳月が過ぎました」と切り出し、両陛下の臨席や来賓の出席に感謝の意を表明しながら「尊い犠牲となられた6400名を超える方々に心から哀悼の誠をささげるとともに、悲しみを胸にさまざまな苦難を乗り越え、街の復興や生活再建へと歩んでこられたみなさま、復旧、復興にお力添えをいただいたすべての皆さまに敬意と感謝の意を表します」とも語った。
斎藤氏は「この30年間、日本列島を数々の大災害が襲った。そのたびに人々は大きな悲しみに耐えながら復旧復興に立ち上がり、その経験や教訓のバトンを次なる災害への対策につなげてきました。阪神・淡路大震災では138万人ものボランティアが駆け付け、災害ボランティアの取り組みが全国に広がる契機となりました」と指摘。「『こころのケア』の必要性が広く認識され、災害派遣医療チーム(DMAT)など、各分野の専門家による支援体制も生まれた。法律に基づく被災者生活再建支援制度も阪神・淡路の震災をきっかけに多くの方々のご尽力で実現した」と語った。
その上で「兵庫県で提唱された創造的復興の理念と実践は、国連の仙台防災枠組に盛り込まれ、国内外の災害復興の基本理念となった。多くの方々のご努力の結果、防災減災の取り組みは着実に前進しつつあります。私たちは歩みを止めることなく、より災害に強い社会を実現していかなければなりません」と呼びかけた。
昨年の元日に発生した能登半島地震にも触れ「道路や水道インフラの寸断による集落の孤立や避難所の衛生環境悪化など、さまざまな課題が顕在化した」とした上で、その課題を踏まえて県の防災計画や訓練にも反映する取り組みを進めていることに言及。「災害は、いつどこで起こるか分からない。私たちはこのことを今、あらためて胸に刻みつけなければなりません。そのために必要なのは、災害の記憶や30年間の歩みを風化させないということです」などと訴えた。
阪神・淡路大震災では、兵庫県を中心に甚大な被害が発生。6434人が犠牲となった。
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