イランによるナタンズ核施設爆発の報復か~イスラエル核施設周辺でシリアからのミサイルが爆発
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年4月24日 17時45分
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月23日放送)に内閣官房参与・外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。イスラエルの核施設周辺でシリアからの地対空ミサイルが爆発したというニュースについて解説した。
イスラエルの核施設周辺でシリアからのミサイルが爆発
イスラエル南部ディモナ近郊で4月22日未明、シリアから発射された地対空ミサイルが爆発した。ミサイルは核開発の拠点施設から約30キロの地点に落下したが、負傷者や施設の被害はなかった模様。イラン中部ナタンズの核施設で、4月11日に電気系統の異常が起き、イラン政府はイスラエルによる破壊工作が原因だと断定。イラン側がシリアの軍事拠点からミサイルを発射し、報復した可能性がある。
飯田)核施設周辺ということで、緊張しましたが。
イスラエルの飛行機を狙って撃ったものが当たらずに落ちたか
宮家)このニュースにはわからないことがたくさんあります。まず、地対空ミサイルです。地対空ミサイルは、飛行機を撃ち落とすものでしょう。飛行機を撃ち落とすわけだから、爆発の規模が大きいわけではない。当たるなり爆発して飛行機が落ちればいいわけなんで、ニュースを見ていると、ミサイルが落下したということは、戦闘機の撃墜ではミスをしたということですよね。
飯田)当たらなかったと。
宮家)飛行機が避ければ当然、どこかへ落ちる。流れ弾みたいなものです。恐らく、それが地面かどこかにぶつかって爆発したということですね。
イランのナタンズ核施設爆発の報復か
宮家)ですから、やはりこれはイスラエルとイランの戦いですが、いちばん大きな枠組みは、アメリカとイランの戦いですよね。アメリカとイランの静かな政治闘争が1979年から一貫して続いていて、基本的には両国とも直接ではなく代理戦争をやって来たわけです。唯一の例外が、去年(2020年)にトランプ政権がソレイマニ司令官を殺害しました。あれはアメリカが珍しく直接手を下したわけですが、それ以外は基本的に代理戦争なのです。今回は、直接の原因はおそらくイスラエルだろうとみんな言っているけれども、イランのナタンズの核施設で爆発があったことでしょう。サイバー攻撃なのか、誰かが入って行って爆破したのかは知らないけれど、相当やられたようですね。だから、イランとしては、何か報復しなければいけない。しかし、あまりやると、戦闘が大きくなってしまうので、今回はこの程度で抑えた。これはイラン側の不快感の表明なのではないでしょうか。撃った以上は飛行機を撃ち落として欲しかっただろうけど、結局は撃ち落とせなかったということです。
飯田)それも失敗したという。
強硬派の行動か~早くイランの核合意を再活性化するべき
宮家)これも、ジャブの応酬です。でも、ジャブの応酬で済んでいるうちはいいと思っています。これが本格的な戦闘になったら、大変なことになりますからね。その意味では、イラン・イスラエルも、ある程度コントロールされた、ジャブの応酬の段階にまだあるということです。この段階で収まっている間に、早くイラン核合意を再活性化させることがポイントなのでしょうけれども、どうもね。
飯田)やはりその部分はなかなか。
宮家)核合意をぶっ壊したい人、アメリカとイランに話して欲しくない人は当然、ちょっかいを出すわけです。ですから、イスラエルを攻撃してみたり、ナタンズを攻撃してみたり、交渉をやりたくないときに破壊活動が起きるのです。
飯田)イスラエル側にも、イラン側にもそういうことを考える人がいる。
宮家)強硬派の連中というのはそういう人たちですから。これがこのレベルで収まっていれば、まだいい方で、これが拡大して将来暴発しないことを祈るばかりです。
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