海外ではノウハウのある人材を高額で雇うことは常識 「かっぱ寿司」の問題はガバナンスの欠如
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年10月4日 17時40分
かっぱ寿司 看板 ロゴマーク
経済アナリストのジョセフ・クラフトが10月4日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。不正競争防止法違反の疑いで警視庁に逮捕され、田邊公己容疑者が社長を辞任した「かっぱ寿司」について解説した。
「かっぱ寿司」の運営会社が社長の辞任を発表
回転寿司チェーン「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトは10月3日、田邊公己容疑者が社長を辞任したと発表した。田邊容疑者は9月30日、競合他社の営業秘密を不正取得したとして、不正競争防止法違反の疑いで警視庁に逮捕されていた。新たに社長となった山角氏は3日の会見で、「(データ持ち込みを会社として)依頼・指示したという事実はない。(新商品の開発や仕入れ先の変更など)具体的に活用した事実は確認されなかったが、問題ないという弁明はしない」と述べた。
日本ではデータや機密情報の扱いの概念が薄い ~かっぱ寿司のガバナンスの欠如
飯田)日本でも最近、転職する人が多くなりましたけれど、欧米では競合他社からの転職、守秘義務は当たり前になっている感じがします。
クラフト)海外は転職が多い分、データや機密情報の取り扱いに関する規制がかなり充実しています。日本ではまだ、データや機密情報の扱いの概念が薄いという一例ではないかと思います。今回のかっぱ寿司に関して言うと、ガバナンスの欠如が問題だと思います。
飯田)ガバナンスの欠如が。
クラフト)かっぱ寿司は回転寿司チェーンのなかで、業績が唯一伸び悩んでいた。そのため、本社からの圧力もかかっていたのではないかと思います。それに対する焦りなのか、そういう行為に走ってしまった。不正行為をやめさせるような社内のガバナンス強化が、いちばん重要ではないでしょうか。
海外ではノウハウがある人材を高額で雇うことは常識
飯田)今回は昔の部下にデータを要求したということまで報じられていますけれど、仮に頭のなかにあって「自分はあそこではこうやっていたな」というような、ノウハウを流し込む形であれば引っ掛からないのですか?
クラフト)海外では問題ないですよね。データを全部覚え切れる人はいないと思いますが、ノウハウについては問題ないわけです。だからこそ海外ではノウハウのある人材を高額で雇う、引き抜くことはよくあります。ただ、こういったところはデータを盗まなくても自分たちで努力して分析すればわかるものなので、そこは企業努力が足りない、欠如しているのかなと思いますけれどね。
飯田)それを手っ取り早くやろうとすると、いろいろなところに綻びが出てきてしまう。
クラフト)そういうことです。昔からきちんとデータを収集していれば、それなりに自分たちもノウハウやデータを蓄積できた。それをやっていなかったということですね。
飯田)かっぱ寿司は1973年創業です。
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