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米FRBが利上げを決定せざるを得ない「アメリカ経済の事情」

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年3月23日 11時45分

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第一生命経済研究所・首席エコノミストの永濱利廣が3月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。米FRBの利上げについて解説した。

※画像はイメージです

FRBが0.25%利上げを決定 ~インフレ抑制優先

飯田)米連邦準備制度理事会(FRB)が22日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%の利上げ継続を決定しました。銀行破綻が相次ぐなか、予定通りに利上げしたということですか?

永濱)もともとマーケットも「0.25%の利上げ」という織り込みでしたから、織り込みと違う数字を出して混乱させるような状態を避けたのです。

飯田)市場を混乱させないために。

永濱)もう1つは、銀行の破綻が続きましたけれども、インフレが落ち着きませんから、そういった意味ではある程度、利上げせざるを得なかったというところです。

0.25%の利上げに加えてイエレン財務長官の破綻銀行の投資家保護を否定する発言

飯田)発表後の声明を見ても、インフレがまだ強く、雇用も強いところを指摘し、利上げするという話が出ていました。

永濱)FRBに限らず、今回の金融不安への対応として、片方ではインフレ抑制で利上げしながら、もう片方では流動性の供給を潤沢にすることによって金融システムを安定させるという、両輪で進める姿勢が改めて確認できたかと思います。

飯田)一方で、アメリカのイエレン財務長官の発言がマーケットでは注目されていました。3月21日には、銀行の預金者保護のための追加措置を行う用意があると言っていた気がするのですが。

永濱)それが昨晩(22日)は、逆に公聴会で預金保険の全面的な支援に対し、改めて慎重な姿勢を示しました。(編集部注:米シリコンバレー銀行などの破綻時に実施した全額保護は、例外的な措置だったと説明)

飯田)保護措置の拡大は検討していないと。

永濱)先物市場で日経平均が下がっていますが、その理由の1つがFOMCでの年内利下げを想定していないという発表です。

飯田)0.25%利上げすると。

永濱)利下げを期待していたところへマイナス材料になった。加えて、イエレン財務長官が預金保護に対する全面的な支援に否定的なスタンスを出しましたので、日経平均は200円くらい下がるのではないでしょうか。

イエレン財務長官が預金への保護拡大を検討しない理由

飯田)アメリカ財務当局としても、救いたいことは救いたいけれど、野放図にはできないということですか?

永濱)来年(2024年)11月に大統領選挙を控えていますので、世論の影響を考えているのではないでしょうか。金融不安の危機を救うことに対して「自分たちの税金が使われる」という意識があります。リーマンショックのときのリーマン・ブラザーズは結局、国民世論の影響で潰されてしまいましたから。

飯田)金持ちを優遇するなと。

永濱)それであのような100年に1度の金融危機が起きてしまったのです。そのときの教訓で、今回はかなり早めに預金保護をしたのですが、一方で国民世論の方も「ある程度は見ておかなければならない」ということでしょうね。

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