井端監督が「侍の4番」明言! DeNA牧がこだわる「4番バッター」としての生き様
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年10月25日 17時20分
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、井端弘和新監督が率いる「新生侍ジャパン」において「4番起用」を明言された横浜DeNAベイスターズ、牧秀悟選手にまつわるエピソードを紹介する。
『オーバーエージ3名、WBC組から1名選んだ以外はほとんど代表経験のない選手。若い選手を中心に、今後の野球界を背負って立ってほしい思いを込めて人選しました』
~『デイリースポーツonline』2023年10月24日配信記事 より(井端監督の言葉)
侍ジャパン、井端弘和新監督の初陣となる11月開催の「アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」に向け、代表メンバー26名が発表された。
井端監督が話した通り、ほぼ代表未経験の選手たちが揃うなかで、頼りになるのはWBC組とオーバーエージ組。今年(2023年)3月に開催されたWBC出場メンバーからは唯一、牧秀悟(DeNA)が選出。そしてオーバーエージ3枠では、キャッチャーで坂倉将吾(広島)、投手陣で田口麗斗(ヤクルト)と今井達也(西武)が選ばれている。
複数ポジションを守れる選手が多いこともあり、「オーダーはまだ決まっていない」と語った井端監督だが、そんななかで唯一明言したのは「4番牧」だった。
『4番牧選手。1年間見てきて、いいときも悪いときもまったく変わらないっていうところが、彼の一番素晴らしいところ。彼を4番にしたらチーム的に落ち着く。彼しかいない』
~『日刊スポーツ』2023年10月24日配信記事 より(井端監督の言葉)
「彼しかいない」は最大級の評価ではないだろうか。今季、打率.293、29本塁打、103打点の堂々たる成績を収め、打点王と最多安打の打撃2冠に輝いた好調ぶり。そして唯一のWBC組としての経験値を買われた形だ。実際、いまのプロ野球全体で見ても、「チームを引っ張る4番」という存在感において、牧が群を抜いているのは間違いない。
DeNAでは昨季(2022年)も出場全135試合で4番を務めると、3年目の今季は初の全試合出場を果たし、そのすべての試合で4番を全うした。そんな「4番牧」にとって入団時から変わらず公言してきたのは、「打点にこだわる」「4番として打撃王をとる」ということだった。
『打撃でこだわっているのは打点です。今は得点圏打率を高く維持できていますが、走者のいる打席では自然と気持ちが高ぶります。前の打者が出塁し、好機で打席をたくさん回してくれることに感謝しつつ、4番として勝利につながる1本を一つでも多く打っていきたいと思っています』
~『読売新聞オンライン』2022年5月29日配信記事 より(牧秀悟の言葉)
実はこのこだわり、大学ジャパンにおいても4番を任されていた中央大学時代から変わらないもの。大学時代のインタビューでも、自分の役割についてこう答えていた。
『4番を打たせてもらうなかで、チャンスで回してくれるチームメイトを還す。それが自分の仕事なので』
~『web Sportiva』2020年8月2日配信記事 より
この「変わらない」「譲れない」4番としてのこだわりが実り、今季、念願の打点王獲得に至ったわけだ。
そして牧がもう1つ意識しているのは、「チームの雰囲気をガラッと変える」存在であること。実際にそれができるバッターとして、カブス鈴木誠也を「師」と仰ぎ、LINEなどを通じてさまざまなアドバイスを受けている。
『同じ右(打者)で、ホームランというより、勝負強く、打率もしっかり残せますし、ひと振りでチームの雰囲気をガラッと変えるバッターだったので憧れでした』
~『日刊スポーツ』2022年12月10日配信記事 より(牧秀悟の言葉)
牧がすごいのは、その「チームの雰囲気をガラッと変える」バッティングを侍ジャパンにおいて既に何度も実践していること。昨年の「侍ジャパンシリーズ2022」でも、今年3月のWBCでも、「チーム1号本塁打」を放ったのは牧なのだ。
特にWBCにおいては、ダイヤモンドを一周後、ベンチ前で本塁打パフォーマンス「デスターシャ」を披露し、侍ジャパンベンチも、そして東京ドームも大いに盛り上がったシーンを覚えているファンは多いのではないだろうか。
今回、新生侍ジャパンにおいても、三度目の「チーム1号」に期待がかかる牧。チームに勝利を呼び込む打点とともに、歓喜の「デスターシャ」で球場が沸くシーンがいまから楽しみだ。
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