イチロー氏 昨今のルール変更に意義「感情が奪われている」データ野球についても言及

米野球殿堂入りを果たしたイチロー氏（写真：AP/アフロ）

アジア人初となるアメリカ野球殿堂入りを果たしたイチロー氏は日本時間24日、記者会見に参加し、現代の野球について言及しました。

ハイテクを駆使し、様々なデータを重視する傾向となっている現代野球について「現代の選手たちは、とにかくタブレット上のなかで色んなことが分かる。それは良いことでもあるんですけど、ゲームとしてみたときに、ファンの人が見ている前で、タブレットを見ているのはどうなんだろうと思う」とコメント。

続いて「例えばその間に味方の選手がデッドボールを当てられる。それがもし意図的だと判断すれば、(グラウンドに)出ていかなければならないですよね。でもそれをタブレット見ていたら見られない。そういうことを考えてほしいと思います。僕はファンとしてそれを見ていたら残念な気持ちになると思います。活用するのは良いんだけれど、第三者に見えるようにしてほしくない。特に今の選手はここにきて、昔の野球に触れることは大事なことだと僕は思います」と意見を述べました。

また昨今のルール変更について問われたイチロー氏は「(現代の野球の)残念なこととしては、見ている人たちの感情が奪われているシーンも多いと思います。たとえば申告敬遠で投げないで一塁に歩いて行くというのは、次のネクストサークルの選手がどきどきしたり、球場全体がざわざわと、雰囲気が変わったり、そういう感情がなくなってしまった」と、イチロー氏ならではの考えをあらわにしました。