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職業はターザン やんばるで自給自足のキジーさん「気付いたら森にいた」

沖縄タイムス+プラス / 2024年5月5日 10時26分

製作中のツリーハウスにある木の幹に腰をかけるキジーさん=4月22日、沖縄本島北部

 【北部】職業はターザン-。沖縄県出身のキジー(Kidzy)さん(26)は、年間300日以上をやんばるの森や海で生活する。出身市町村や本名は明かさないが、自給自足の生活をユーチューブで発信したり、バラエティー番組で活躍したりしている。4月にはキジーさんを取り上げた「沖縄ターザンの冒険ずかん」(幻冬舎)も出版された。「『沖縄の自然にリスペクトを持って遊ぼう』と、子どもたちに伝えたい」との思いを発信中だ。(北部報道部・比嘉海人)

 日に焼けた褐色の肌に182センチのたくましい体。長髪をなびかせる姿は、ディズニー映画「ターザン」そのものだ。子ども心を忘れたくないと考え、名前のキジーはキジムナーから取り、英語表記には「kid」を入れた。

 本島北部の山中の借用地に小屋を建て、自給自足で暮らす。漁業者で狩猟免許も持ち、魚突きやイノシシの捕獲などで食を得ている。この生活のきっかけは「数年前からか、気付いた時には森にいた」と笑う。

 子どもの頃、食用の野草や魚の捕り方を教えてくれた祖父や、いつでもクワガタ捕りに連れて行ってくれた父の影響で自然が好きになった。19歳の時、やんばるの森でネイチャーガイドを務め「森に住みたい」意欲が増した。当初は心配していた両親や妻も、今は応援してくれているという。

 「やってみたらどうなるかと、体験して知ること」を行動の軸とする。クワズイモには毒がある、ミミズとドングリを食べるイノシシの肉の味に違いがある、命を頂くという幸福感-。動植物や天候など危険を察知することも含め、自給自足の知恵の8割を体験から得て、それでも分からないことは本で学んだ。

 「意思を持って人生を切り開くことが大切。何でも楽しんで、いろんな世界を見ることが人生を豊かにする」と語る。

 他方、4年前に立ち上げたツアー会社「TarzanWorld」の代表を務める。森林を巡る他、プロ写真家が撮る星空ツアーなどを企画。2021年からは環境に配慮し、金属と石油化学製品を使わないツリーハウスの製作に奮闘する。

 沖縄のターザンとして、日本テレビのバラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」で取り上げられるなど全国区の人気者になった。だが、「世界的にも希少な沖縄の自然や動植物を守りたいという気持ちしかない」とぶれはない。将来は「人が使った土地を購入してあえて使わず、原生林に戻したい」と壮大な夢も掲げた。

 キジーさんの知恵48個をまとめた書籍「沖縄ターザンの冒険ずかん」は定価1320円で、県内の書店で発売中。

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