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奥歯でかんだ時、前歯に隙間ができる「開咬」 原因や完治が難しい理由は? 

沖縄タイムス+プラス / 2025年1月15日 8時5分

[県歯科医師会コラム・歯の長寿学](356)

 開(かい)咬(こう)とは奥歯でかんだ時に上下の歯の間、多くは前歯の間に隙間がある状態です。食べ物をかみ切れず、話す時に息がもれたり、舌を上手に使うことができないため聞き取りにくい言葉になったりします。

 指しゃぶりや舌が大きい、舌の癖(元々の舌の位置が悪く、舌を上下の前歯の間に出して発音したり飲み込んだりする癖)、鼻炎、副鼻腔(びくう)炎、へんとう肥大といった鼻の病気などによる口呼吸が原因です。まず、3歳を過ぎても指しゃぶりがあれば、徐々に止めていくよう指導する必要があります。

 矯正治療は永久前歯が生えそろう時期、または永久歯が全て生えそろった後に開始する場合が一般的です。鼻の病気があれば耳鼻科受診を勧め、舌の癖があれば、舌や唇のトレーニングを行うこともあります。

 (1)永久前歯が生えそろう時期では、マウスピースや舌を前に出させない装置、歯にボタンのような装置(ブラケット)とワイヤを使ったり、上あごを広げて鼻の通りを良くするよう試したり、舌を口の中に収めやすくすることもあります。時々鼻炎やいびきが改善したという患者さんもいます。

 (2)永久歯が全て生えそろった後では、上下全ての歯にブラケットとワイヤを装着するマルチブラケット装置が主役ですが、最近はマウスピースを使用することもあります。永久歯を抜歯したり、歯肉に直径2ミリほどの歯科矯正用のネジを植立したりすることもあります。

 顔が長いなど上下のあごのずれが大きい場合は、総合病院の歯科口腔(こうくう)外科や形成外科と連携して、あごの手術も行う外科的矯正治療をします。その後、歯の後ろをワイヤで固定したり、マウスピースを使用して歯並びを維持したりします。開咬は矯正治療で治しても、原因が完治しないため戻りやすく、長い間維持することができないこともある難しい歯並びです。=第3水曜日掲載

(山内昌浩・山内矯正歯科クリニック=嘉手納町)

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