きっかけは3歳女児「これ何?」 八重山で初確認された寄生バチ 研究者の父「くやしいけど嬉しい」
沖縄タイムス+プラス / 2025年1月19日 18時0分
【西表島=竹富】琉球大学は9日、同大熱帯生物圏研究センター西表研究施設の和智(わち)仲是(なかただ)助教らが、寄生バチの一種ホウネンタワラチビアメバチを竹富町西表島の公園で発見したと発表した。八重山諸島では初めての発見で、和智助教の娘(4)=当時3歳=が「これ何?」と首をかしげたのがきっかけ。子どもの好奇心が地域の生物多様性を明らかにする出発点となった。(八重山支局・矢野悠希)
発表によると昨年9月、西表島西部のうなり崎公園で和智さんが娘のかの子ちゃんと虫取りをしていた際、かの子ちゃんが不思議な模様のある二つの繭が植物の葉にぶら下がっているのを見つけた。
和智さんが研究室に持ち帰って、後日羽化した生物の同定をヒメバチに詳しい北海道大学総合博物館の小西和彦資料部研究員に依頼したところ、ホウネンタワラチビアメバチであることが判明した。
この寄生バチはオーストラリアやインド、東南アジア、中国といった海外や国内に広く分布しているが、県内では多良間島のみで確認されていた。主に稲の害虫であるフタオビコヤガの幼虫に寄生するが、これまでフタオビコヤガは西表島に確認されていない。何のガに寄生して生息していたかなど、さらに解明の必要があるという。
和智さんは「研究者としては娘に見つけられてしまったのは悔しいが、親子の遊びが記録に残ったのはうれしい」と笑顔。「日本全国どこでも身近な環境に未発見の昆虫が数多く存在している。身近な動植物に対する関心が高まってくれれば」と話した。
この研究結果は昨年12月30日付で日本昆虫分類学会が発行する学術誌「Japanese Journal of Systematic Entomology」に掲載された。
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