市川男寅、祖父・左團次さんの“最後の背中”は「ずっと忘れない」 追善公演で父・男女蔵と共演
ORICON NEWS / 2024年4月16日 16時38分
歌舞伎俳優の市川男女蔵(56)、市川男寅(28)親子が16日、東京・歌舞伎座で5月2日に初日を迎える5月公演『團菊祭五月大歌舞伎』の取材会に参加した。
【集合ショット】市川左團次の写真とともにポーズを決める市川男女蔵、市川男寅 親子
『團菊祭五月大歌舞伎』は、明治の劇聖と謳われた九代目市川團十郎と五代目尾上菊五郎の偉業を顕彰するため始められた5月興行恒例の祭典で、男女蔵と男寅は昼の部『毛抜』に出演する。本作は、昨年4月15日に亡くなった四代目市川左團次さん(享年82歳)が「左團次」襲名の際に演じた演目であり、今回は左團次さんの長男・男女蔵が父の当たり役である粂寺弾正を引き継ぎ、孫・男寅が錦の前を担い、一年祭追善狂言として上演される。
男寅は左團次さんが最後に弾正を演じた2018年11月の南座公演ぶりの錦の前となる。当時について「祖父は当時78歳ですから、体力的には当然しんどいわけですよね。後ろを向くと、若干つらそうな顔をしているのも見えました。ただ、前を向くと力強く、若々しく、唯一無二の存在感を出していた」と振り返り、「あの後ろ姿はずっと忘れないでおこうと思います」と言葉に力を込め、自身の役柄については「女形の基礎がすべて詰まっているお役だと思う」と気を引き締めた。
生前の左團次さんとの関係性について「晩年まで会話もほとんどなく、サバサバした親子だった」と語った男女蔵に続き、男寅も「祖父とはプライベートで一度も食事に行ったことがない」としつつ、「でも、祖父の後輩の方たちにはよくしていただくことが多くて。それは祖父が後輩に愛情を注いでいたから、今自分に返していただけているんだと思う」と感謝。
「役柄をいただいた際には、楽屋に行って報告させていただいていたんですが、『そうか。だったら◯◯に教えてもらいなさい』と、具体的に名前を挙げてくださった」という。続けて「父と同様に、祖父から直接助言をいただくことはありませんでした」と言い、「でも、周りの人から『旦那(左團次さん)がここを直した方がいいとおっしゃっていたよ』と伝えられることもあって。誰かを介して言葉を送ってくれていました」とうれしそうに振り返った。
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