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大友良英氏、坂本龍一さんの“ラストメッセージ”に感謝「年老いていく音楽家の振る舞いを見せてくれた」

ORICON NEWS / 2024年5月10日 21時34分

坂本龍一さんに感謝した大友良英 (C)ORICON NewS inc.

 2023年3月に亡くなった音楽家・坂本龍一さん(享年71歳)の最後のピアノソロ演奏を記録した長編コンサート映画『Ryuichi Sakamoto | Opus』の公開記念トークイベントが10日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、音楽家の大友良英氏と文筆家・佐々木敦氏が登壇した。

【写真】ラフな服装で、映画ポスターを挟んで立つ大友良英&佐々木敦

 NHK連続テレビ小説『あまちゃん』や、大河ドラマ『いだてん』の劇伴などで知られる大友氏は、2010年以降、即興演奏のパートナーとして坂本さんと国内外でステージを共にしてきたが、「ピアノとギターは相性が悪いと思っていて、ずっとピアニストと即興をやるのが苦手だったんです」と告白。



 そのため「坂本さんと初めて即興をやるときも、最初は後味の悪い思い出になってしまったら…と考えていた」という。しかし「実際にやってみたら本当に面白かった」とうれしそうに語り、「坂本さんもそう思ってくれたようで、そこからメールのやりとりをするようになって、即興演奏にも声をかけてもらえるようになった」と振り返った。

 即興で共演する際のオファーは、「8割くらいは坂本さんから。僕からはなかなかお声がけできないですよ。あんなに有名で、スケジュールがいつ空いているのかわからなくて、ギャラがいくらなのかもわからないんだから(笑)」と笑いも誘った。

 佐々木氏とは坂本さんの人柄についてもトーク。大友氏は「坂本さんはまだ社会的に認知されていないような人を押し上げて認知させるっていうことをよくやっていて、それも自覚的だったそうです」と言い、「でも決して自分の手柄みたいにひけらかさない。そういった姿勢から、学生運動の挫折を経ているのをすごく感じましたし、やっぱりこの人はすごいな…と思っていました」と伝えた。

 2010年以降に即興演奏の“相棒”を担い、2019年の共演が最後となった。大友氏は「時期が時期だったので、お葬式とかもなかった。だから一体いつお別れを告げれば良いのかわからなかった」と言い、当初本作を見ることができなかったと明かす。

 続けて「やっと落ち着いて、先日新宿(での先行公開)で見ました」と報告し、「普段音楽映画を見ると、どんなにいい作品でも音楽や映像に対して『もう少しこうしてほしい』といった部分がどうしても出てきてしまうんです。でも、この映画はまったくストレスなく見ることができた。率直に、これは音楽を聞かせるための映画だなと思いました」と素直な感動を伝えた。

 最後に「こうやって佐々木さんと久々にお会いできたのもそうだけど、坂本さんが僕にもたらしてくれた縁みたいなものはたくさんあるけれども、たぶん一番大きいのは、僕よりも少し上の先輩がどうやって死んでいくのかをちゃんと教えてくれたということだと思う」と感謝。

 そして「年老いていく音楽家の振る舞いというものを坂本さんが見せてくれた。僕も寿命を考え出す年齢になり、演奏家としてこの先のことを考えると、これほどかっこよくはなれない(笑)。でも、この映画からそういう意味での影響はすごく受けるんだろうと思います」と力を込めた。

 本作は、闘病生活を続けていた坂本さんが、最後に演奏したピアノソロを記録した最初で最後の長編コンサート映画で、作中では自ら選曲した20曲が披露されている。収録は2022年9月、東京のNHK 509スタジオで行われ、坂本さんのためにカスタムメイドされ、長年コンサートで愛用したヤマハのグランドピアノだけで臨んだ。

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