リチャード・ギア主演、テレンス・マリック監督『天国の日々』47年前の名作が4Kレストア化で蘇る
ORICON NEWS / 2025年1月15日 9時23分
1978年製作のテレンス・マリック監督作品『天国の日々 4K』が、4月4日より都内のヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開されることが決定した。主演は、リチャード・ギア。
【画像】絵画のように美しい画作りへこだわりを切り取った場面写真
本作は、20世紀初頭のテキサスの壮大な農場を舞台に、人間の弱さともろさを美しい映像で描いた作品。「第32回カンヌ国際映画祭」で監督賞、さらに「第51回アカデミー賞」では撮影賞を受賞するなど、公開当初から世界中で高く評価されてきた。日本では、約5年後の1983年に劇場公開された。
監督は、『バッドランズ(地獄の逃避行)』(1973年)で初メガホンをとり、『シン・レッド・ライン』(98年)や『ツリー・オブ・ライフ』(2011年)などで数々の賞を受賞し続けているテレンス・マリック監督。
『天国の日々』に全てを注いだマリック監督は、次回作の『シン・レッド・ライン』までの20年間、1本も映画を撮らなかったことは、長年にわたり映画界の伝説として語られている。
本編の夕暮れ時のシーンは全て、“マジック・アワー”と呼ばれる、1日にわずか20分しかない日没間近の柔らかい光の中で撮られ、本編のほとんどをこの時間に費やすという極めて異例の方法で撮影された。手がけたのはエリック・ロメール監督作品に多数参画し、フランソワ・トリュフォーらヌーヴェル・ヴァーグの作品でも撮影監督をつとめたネストール・アルメンドロス。
この2人の狙い通り、絵画のような非常に美しい画作りに成功したが、その極度なこだわりのため、スケジュールや予算は大幅に超過。プロデューサーのバート・シュナイダーは自宅を抵当に入れたという。画面の中にある繊細さを遺憾なく発揮し、逆光を巧みに扱うことで “ヨーロッパの光”をアメリカ映画に持ち込んだアルメンドロスは、次回作が控えていたため、ハスケル・ウェクスラーに撮影監督を引き継ぎ完成させた執念の一作だ。
今回上映されるのは、マリック監督監修のもと4Kレストア化したもの。ここ数年の間で劇場公開が急増した4Kと、これまでの2K素材の違いについて、国立映画アーカイブの主任研究員、岡田秀則氏は「画面の肌理が違う。デジタルスキャンによる解像度は、4Kでようやく化学分子からなる35ミリフィルムのレベルに達する」と言及。加えて、従来のフィルム映写機とDCP(現在主に使用されるデジタル上映素材)の違いについては「劇場の暗い環境で鑑賞することで、グラデーションの違いがよく分かる」と解説している。
ティザービジュアルは、本作を象徴するマジック・アワーを背景に、農場主の家と逆光に照らされた人々が捉えられており、幻想的な世界観を表現。あわせて10点の場面写真も解禁。リチャード・ギア演じる主人公のビル、ブルック・アダムス演じる恋人のアビーなど登場人物たちのカットのほか、美しい風景が切り取られている。
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