深川麻衣「不穏な空気を楽しんで」 “村社会”の実態暴く主演映画の魅力紹介
ORICON NEWS / 2025年1月17日 8時42分
俳優の深川麻衣が16日、都内で行われた主演映画『嗤う蟲』(24日公開)完成披露上映会に登壇した。
【動画】夫婦に迫る嗤う村人たちに虫唾が走る本予告
コロナ禍によって急速に普及したテレワークを追い風に、過疎化が急速に進む地方自治体も、あの手この手と趣向を凝らして移住者を誘致している空前の田舎暮らしブーム。しかし、憧れの田舎暮らしのはずが、恐怖のどん底に堕ちてしまうことも。移住先で“村の掟”に縛られ、背いたものには常軌を逸した制裁が待つ「村八分」の恐怖。本作は、日本各地で起きた村八分事件をもとに、現代日本の闇に隠されている”村社会”の実態を詰め込んだオリジナルストーリー。
同上映会には深川のほか、共演の若葉竜也、田口トモロヲ、杉田かおる、そして城定秀夫監督が出席した。
満員御礼で迎えたこの日、スローライフに憧れて田舎移住をする主人公・杏奈を演じた深川は「ホラーのように驚かすような怖さではなく、ジワジワした怖さをエンタメとして楽しめる作品になっています」と完成に胸を張り「田舎は大好きですが…同じ状況に置かれたら恐怖です!」と体をブルっと震わせていた。
一方、田舎移住をした杏奈の夫・輝道役の若葉は劇中の不穏な雰囲気をこう表した。「同調圧力というのか、言葉にははっきり言わないけれどニヤニヤと圧をかけてくるような気味悪さがある。この感じ何かに似ているなと思ったら、自分のいるこの業界の気味悪さと同じだと思った」とニヤリ。田口の怪演については「あまりにも衝撃的で、自分が今何を見ているのか忘れる瞬間があった。大好きな田口トモロヲという俳優を目の前で見せていただきました」と最敬礼だった。
その田口は、麻宮村の自治会長・田久保を怪演。「脚本を読んだ時に、久しぶりにギアマックスでエンジンをふかしながら踏み込める作品でありキャラクターだと思った」と水を得た魚状態で「かなりスレスレのところで面白い奇抜な芝居をして、深川さんら若い夫婦を苦しめることが出来たと思います。その部分を楽しみながら見て欲しい」と手応え十分だった。とあるシーンでは深川から「本当に怖いです…」とリアルに怯えられたそうで「僕としては複雑でしたが、役としては“してやったり!”と思いました」と喜んでいた。
田久保の妻・よしこ役の杉田は「撮影中は日に日に(深川と若葉の)お二人が私達を嫌がっている感じがリアルだったので本当に嫌がられているのではと思いました。でも完成した映画を観て、お二人の演技が上手かったんだと思った。それくらいリアルで素晴らしいお二人でした」と若手を絶賛した。
メガフォンを取った城定監督は本作を「ジャンルレス」と表して「家族や村のコミュニティー、夫婦の在り方を表現した結果、なんと言ったらいいのかわからないような面白い作品になった。そう言った意味でのジャンルレスです」と解説していた。
また山奥での撮影の裏話になると、若葉がまさかの心霊体験を告白。「宿泊先のホテルに幽霊がいて耐えられなくて、後半は自腹で違うホテルを取って過ごしました」と明かし「柄シャツのおじさんが化粧台に鏡を見ながら座っていました」と幽霊の情報を詳細に解説した。すると同じホテルに宿泊した杉田も「ホテルの部屋のテレビがいきなり付いたりした。撮影現場よりもホテルの方が怖かった」と怪現象に襲われていたそうで、若葉は「このホテル絶対におかしい!と思ってネットで調べたら、一発目に“心霊”と出てきた。あ、由緒正しいそういうホテルなのね…と思った」と妙に納得していた。
杏奈たちを襲う麻宮村の見えない“掟”にちなんで、2025年に自分に課したい“掟”を発表。深川は「フードデリバリーはほどほどにしたい」といい「自炊するけれど、便利なので一度頼むとクセになる。今年は宅配の頻度を減らしたい」と照れ笑い。若葉は「日課にしてるトイレ掃除を今年も続ける」そうで「毎日トイレ掃除から始めて現場に行きます。トイレはその人の人間性が出ると聞いたことがあるので、見えない場所こそ綺麗にしようと続けています」とルーティンを明かした。
田口は「仕事のないオフの日は午前中に起きるようにしたい」といい「学生気分が抜けなくて、翌日がオフの時は朝3時くらいまで起きて昼くらいまでゴロゴロしちゃう」と反省。これに深川が「体力があるということ!」と前向きに捉えるも、田口は「僕らみたいに死滅する年代は死に近いから棺桶代わりに昼過ぎまで寝てしまうのかな?」と自虐を放っていた。一方、杉田は若葉に感化されて「トイレ掃除、毎日します!」と今年の目標にしていた。
最後に主演の深川は「撮影に入る前に監督から夫婦二人を100%善人には見せたくないと言われて、それがとても印象的でした。劇中では夫婦VS村人という構図になるけれど、白黒ではなくてグレーの部分を描いていて、視点によってはどちらにも同情できる余地があるのがこの映画の好きなところです。ジワジワと迫りくる不穏な空気を楽しんでいただけたら幸いです」と呼び掛けていた。
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