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菊池日菜子・小野花梨・川床明日香、被爆者救護にあたった看護学生を熱演 映画『長崎―閃光の影で―』公開決定

ORICON NEWS / 2025年1月17日 9時56分

(左から)川床明日香、菊池日菜子、小野花梨=映画『長崎―閃光の影で―』(C)2025「長崎―閃光の影で―」製作委員会

 原爆被爆者を救護した日本赤十字社の看護師たちが被爆から35年後にまとめた手記をもとにした映画『長崎―閃光の影で―』が、7月25日より長崎県内にて先行公開、8月1日より全国されることが決定した(配給:アークエンタテインメント)。

【画像】映画『長崎―閃光の影で―』場面写真

 『閃光の影で-原爆被爆者救護赤十字看護婦の手記-』に残された看護師たちの体験をもとに、脚色を加えながら生み出された3人の10代の少女たちの視点で、長崎に原爆が投下された当日から1ヶ月間の救護活動の日々を描き出す。

 空襲による休校のため、長崎に帰郷してきた看護学生のスミ、アツ子、ミサヲ。
1945年8月9日11時2分、長崎市に原爆が落とされたことで、家族や恋人と過ごす彼女たちの日常は一変する。地獄絵図と化した街で、救える命より葬る命の方が多くても、彼女たちは未熟ながら看護学生として、人として使命を全うしようとする――焼け野原となった故郷で、彼女たちは何を見、何を感じ、何を思ったのか。



 久しぶりに帰郷した長崎で過酷な体験をすることになる看護学生の田中スミを演じるのは、本作が映画初主演となる菊池日菜子。あどけなく清らかな存在感を放つ等身大の姿は、戦争の落とす暗い影との対比を浮かび上がらせる。菊池は「役者としてではなく一人の人間として在るべき時間を過ごすことができた、スミとしての記憶を丁寧に大切に抱えていたいです」とコメントしている。

 スミの幼なじみであり看護学校の同級生・大野アツ子を演じるのは小野花梨。確かな演技力に定評のある小野が、本作では人一倍強い信念を持って被爆者救護にあたる少女を熱演。小野は、「目を背けたくなるような映像が、現実にあったという事実に向き合いながら今自分が生きていることの意味を考え続けるような日々でした」と撮影時を振り返っている。

 同じくスミの幼なじみで看護学校の同級生・岩永ミサヲ役に、川床明日香。本作では、クリスチャンである自らの信仰心と現実のはざまで葛藤する少女という複雑な役どころに挑戦し、「この作品が私たちの今と未来について考えるきっかけとなりますように」と願った。

 監督・共同脚本を務めるのは、自身も長崎出身の被爆三世である松本准平。いつか原爆を題材にした映画で戦争の愚かさについて描き、平和を訴えたいというかねてよりの願いが、長編6作目となる本作で実現した。松本監督は公開決定に際し、「被爆した亡き祖父のこと、見守り育ててくれた多くの被爆者の方々に想いを馳せながら、この映画に取り組みました」とコメントを寄せている。

 プロデュースを手がけるのは、長崎原爆投下の前日を描いた黒木和雄監督の名作 『TOMORROW 明日』(1988年)のプロデューサーでもある鍋島壽夫。『TOMORROW 明日』のその先へと続く原爆投下“後”の物語を今こそ語るべきである、という強い想いは、松本監督との出会いにより結実した。

 原爆投下、そして終戦を経験した1945年、日本被団協がノーベル平和賞を受賞し世界へと核廃絶を訴えかけた2024年、そして戦後80年の節目を迎える2025年。戦争体験、被爆体験を語れる人が少なくなってきている今だからこそ、後世に語り継ぎたい物語として、劇場公開される。

■菊池日菜子(田中スミ役)のコメント(全文)

 どれだけ資料を読もうとも、どれだけ想像を膨らませようとも、当時にたどり着けない不安と闘う日々。これまでのお芝居で得た経験のどれにも、安心できる材料はありませんでした。
 そんな中で自分にできることは考え続けること。役者としてではなく一人の人間として在るべき時間を過ごすことができた、スミとしての記憶を丁寧に大切に抱えていたいです。
 松本監督をはじめ、映画『長崎-閃光の影で-』に関わる全ての方々への感謝と敬愛を込めて、これからを精一杯生きていきます。
 終戦から80年が経つ2025年の夏。私たちが生きた1945年の夏をぜひ劇場で観ていただきたいです。

■小野花梨(大野アツ子役)のコメント(全文)

 戦後80年。 この80という数字がどこまでも大きくなっていくようにと願いを込めてこの作品に関わらせていただきました。 目を背けたくなるような映像が、現実にあったという事実に向き合いながら今自分が生きていることの意味を考え続けるような日々でした。

■川床明日香(岩永ミサヲ役)のコメント(全文)

 この作品に参加することは大きな責任を伴うとともに、私にしかできないものでもありました。撮影中、ミサヲに心を託す瞬間に出会えたように思います。役者としてこの瞬間に出会えたことは幸せでしたが、ミサヲとして感じた想いは誰にも感じてほしくないとも思いました。この作品が私たちの今と未来について考えるきっかけとなりますように。

■松本准平(監督)のコメント(全文)

 被爆した亡き祖父のこと、見守り育ててくれた多くの被爆者の方々に想いを馳せながら、この映画に取り組みました。被爆の傷跡を抱え、それでも生き、平和を祈り続けてきた故郷――僕はいつか、戦争の悲惨さと原爆の残酷さ、人間の愚かさと、素晴らしさを描く映画を作りたいと念願してきました。
 あの閃光の痛みも、熱線や爆風、放射能の苦しみも、全て決してわかり得ませんが、一人ひとりのキャスト・スタッフの想像力と知性、感性、そして想いに支えられました。特に、原爆に直面した人間の身心を演じる という不可能へと挑み、見事に達成してくれた菊池さん・小野さん・川床さんに心からの敬意と感謝を捧げます。
 核兵器は要りません。決して人類に似つかわしくありません。80年前のあの日を二度と繰り返さないために、世界中のあらゆる戦争が無くなることを夢見て、本作が平和への想いをつなぐバトンの一つとなることを祈ります。

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