アメリカ空軍 U-2偵察機のコクピット電子機器を近代化改修
おたくま経済新聞 / 2020年4月13日 15時0分
シエラネバダ山脈上空を飛ぶU-2S(Image:USAF)
ロッキード・マーティンの特殊プロジェクトチーム「スカンクワークス」は2020年4月9日(現地時間)、アメリカ空軍からU-2高高度偵察機(愛称:Dragon Lady=ドラゴンレディ)の近代化改修を受注したと発表しました。偵察用光学センサーに続き、今回はコクピット周りの電子機器をアップグレードします。
1950年代から60年以上にわたり、アメリカ軍の「目」として、人知れず活躍してきたU-2。偵察衛星や無人偵察機RQ-4グローバルホークが就役した現在でも、操縦者がリアルタイムで対応できる利点を生かし、きめ細かな偵察情報をもたらす存在として重用されています。
2020年2月に発表された光学偵察センサー換装に続き、今回の改修ではコクピット周りの電子機器が対象となります。まず、将来搭載される新しい機器に対応できるよう、最新のアビオニクス(航空電子機器)セットにアップグレード。
また、ミッションコンピュータをアメリカ空軍が採用する最新の「オープン・ミッション・システム(OMS)」に対応したものに換装します。これにより、U-2の得たデータを他の航空機や人工衛星、会場の艦船に陸上部隊、そしてサイバースペースといった、それぞれ異なる環境とセキュリティレベルで共有できるようになるといいます。
これらの電子機器に対応できるよう、コクピット計器もリニューアル。すでにこれまでの近代化改修により、U-2のコクピットは多機能ディスプレイ(MFD)によるグラスコクピット化がなされていますが、さらにより簡単に情報表示ができるようなディスプレイシステムが用意されることになります。
ロッキード・マーティンのU-2プログラム・ディレクター、アイリーン・ヘリー氏は「実績豊富で機動性もあり、高い信頼性を有するU-2Sは、現在のところ最も能力の高いISR(情報収集・偵察)システムです。今回のアビオニクス改修により、現在および将来にわたって我が国の兵士に最高級の航空機を提供し、世界的安全保障の確保に役立つことでしょう」とコメントを発表しています。
今回の近代化改修で、第1号となる試改修機の試験は2021年中頃からの開始を見込んでいます。試験を経て、全機の改修完了は2022年初頭になるとの予測をロッキード・マーティンは示しています。
<出典・引用>
ロッキード・マーティン ニュースリリース
Image:USAF
(咲村珠樹)
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