戦闘機と連携するドローン「ロイヤル・ウィングマン」試作1号機が完成
おたくま経済新聞 / 2020年5月6日 9時16分
ロイヤル・ウィングマン(Loyal Wingman)試作1号機(Image:Boeing)
ボーイングとオーストラリア国防省は2020年5月5日(現地時間)、戦闘機と連携して飛行するドローン「ロイヤル・ウィングマン(Loyal Wingman)」の試作1号機が完成したと発表しました。オーストラリアでは約50年ぶりとなる国産軍用機です。
ボーイングの「ロイヤル・ウィングマン(Loyal Wingman=忠実なる僚機)」は、AIを搭載し戦闘機と連携して戦闘を行なう無人機(ドローン)。2019年2月に発表された「エアパワー・チーミング・システム(Airpower Teaming System=ATS)」を基本にしており、各種センサーで得られたデータをネットワークを通じて有人機と共有することで索敵範囲を拡大し、より柔軟な戦術を可能とするものです。
オーストラリアとしては、1971年に初飛行したGAFノーマッド多用途機以来となる国産軍用機。この計画にはボーイング・オーストラリアを中心に、オーストラリアの航空関連企業が多数参加しており、国内産業振興の面からも大きなプロジェクトとなっています。
オーストラリアのスコット・モリソン首相は、試作1号機の完成に寄せて「これは我が国と、我が国の防衛における歴史的瞬間です。私たちはオーストラリア軍の精強さと能力を拡大し、我が国および同盟国を守るために投資しています。また、この投資は我が国防衛産業の成長と発展、雇用の創出、そして海外へ輸出する可能性を広げる政府の取り組みを明確にするものです」とコメントを発表し、新型コロナウイルス禍から経済を立ち直らせる原動力になってくれるだろうと期待を寄せています。
リンダ・レイノルズ防衛大臣は「この計画は、無人機がいかに既存のF-35、スーパーホーネット、グラウラーをサポートすることができるか、という例を示してくれるでしょう」とのコメントを発表しています。
全長11.7m、最大航続距離3700kmというロイヤル・ウィングマンは、試作機が3機作られる予定。この1号機は今後地上試験を実施したのち、2020年中に地上滑走試験から初飛行までを目指します。
<出典・引用>
オーストラリア国防省 ニュースリリース
ボーイング ニュースリリース
Image:Boeing
(咲村珠樹)
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