アメリカ特殊作戦軍 新輸送ヘリコプターMH-47GブロックIIを受領
おたくま経済新聞 / 2020年9月4日 10時0分
MH-47GブロックII(Image:Boeing)
ボーイングは2020年9月1日(現地時間)、ペンシルバニア州フィラデルフィアにある工場で、アメリカ特殊作戦軍(USSOCOM)向け輸送ヘリコプター、MH-47GブロックIIの1号機を引き渡したと発表しました。新型コロナウイルス禍で、アメリカの製造業は工場の操業が一時停止する影響がありましたが、スケジュール通りの引き渡しだといいます。
MH-47Gは、大型輸送ヘリコプターCH-47チヌークの特殊部隊向け多用途バージョン。夜間に隠密行動する特殊部隊の特性に合わせ、暗闇に溶け込むような濃色の迷彩塗装と空中受油装置、そして胴体両側に装備された自衛・火力支援用の7.62mm機銃(M60Dまたはガトリング式のM134ミニガン)が外見上の特徴です。
MH-47GブロックIIは、従来のMH-47Gからコクピット計器や航法システムをデジタル化した最新版。多機能ディスプレイを装備したグラスコクピットに加え、ミッションシステムも作戦内容に応じて容易に更新することが可能となりました。アメリカ特殊作戦軍、そして隷下の陸軍特殊作戦コマンドでは、老朽化したMH-47Eをこの機体で更新する予定です。
ボーイングでH-47チヌーク計画を担当するアンディ・ビルタ副社長は、フィラデルフィアでの納入式典で「この納入はチヌークにとって、大きな一歩となりました。最新型のチヌークはアメリカの特殊部隊に、苛酷極まりない任務における画期的な能力を提供し、将来の戦場においても任務遂行を可能にすることでしょう」とコメント。実績あるチヌークをベースに最新の装備を備えた、MH-47GブロックIIのもたらす能力に全幅の信頼を置いている様子です。
1号機を受領したアメリカ特殊作戦軍は、2020年7月にMH-47GブロックIIを23機追加発注しました。アメリカ特殊作戦軍の隷下部隊では、空軍特殊作戦コマンドがCV-22オスプレイを運用していますが、双方の利点を考慮しつつ、作戦ごとに適した機材が選択されています。
<出典・引用>
ボーイング ニュースリリース
Image:Boeing
(咲村珠樹)
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