大人が「趣味バレエ」と上手く付き合う方法
おたくま経済新聞 / 2022年8月31日 18時0分
大人が「趣味バレエ」と上手く付き合う方法
大人から始める趣味として人気のバレエ。
趣味といえども、週に何度もレッスンに通ったり、舞台に出たりと「趣味レベル」を超える人が多いのも大人バレエの特徴です。
かくいう筆者も社会人になってからもバレエを習い続けている「大人リーナ」(大人バレリーナの略)の一人。 ジュニア時代のように身体が動かなかったり、仕事との両立が上手くいかなかったりする中、バレエとの付き合い方を模索してきました。
今回は、大人バレエならではの悩みに向き合い、筆者が思う大人バレエとの上手な付き合い方について解説します。
■ 大人バレエでよくある悩み
TwitterやInstagramなどのSNSでは、真剣にレッスンに通い「ああでもないこうでもない」と試行錯誤しながらバレエを習っている大人の方をたくさん見かけます。 バレエが大好きで、楽しみながらレッスンに通いつつも、ときには悩みや愚痴がこぼれることも。
大人バレエを習っている方によくある悩みは、以下のようなものです。
▼大人バレエでよくある悩み▼
・バレエ用語や動きを覚えられない
・なかなか上達しない、思うように動けない
・体が硬い
・バレエを習うモチベーションが続かない
・同じ教室の仲間と比べて下手だと感じる
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筆者は、子どもの頃からバレエを習っているので「バレエ用語や動きを覚えられない」といったことはありませんが、大人からバレエを始めた方にとって、フランス語であるバレエ用語や、日常にはないバレエの動きを覚えるのは大変ということは容易に想像できます。ほかの悩みについても同感です。
疲れ知らずだったジュニア時代と比べて、大人になると、仕事での疲れもあり体力や身体の動きに限界を感じるようになりました。
「プロを目指すわけではないのに、なんでバレエを続けているんだろう?」とモチベーションが保てなくなったこともあります。 体力があり、バンバン踊れて伸びしろがある後輩の姿を見て、「自分は下手だ」「彼女に比べて頑張れていない」と落ち込んだときもありました。
しかし、これらの悩みは、真剣にバレエに向き合っているからこそ出てくるもの。「もっとバレエが上手になりたい」という向上心を持っている証拠なのです。バレエを習っている限り、そして上達を目指している限り悩みはつきないものと割り切って、バレエと上手く付き合う方法を考えるほうが賢明だと筆者は考えます。
■ 大人が「趣味バレエ」と上手く付き合う方法筆者が思う、大人が「趣味バレエ」と上手く付き合う方法を3つご紹介します。
(1)1回1回のレッスンを大切にする体力や身体の動きに限界がある大人は、1回1回のレッスンを大切にする必要があります。
たくさんのレッスン回数をこなせないからこそ、1回のレッスンに万全の状態で臨み、集中してレッスンを受けることが重要。「量より質」というわけです。「疲れているから」「今日は気分が乗らないから」と適当にレッスンを受けていると、いつまで経っても上達しません。
1回1回のレッスンを大切にするために、筆者が実践していることは以下のとおり。
▼1回1回のレッスンを大切にするために▼
・ウォーミングアップを十分におこなう
・ケアアイテムを持って行くなど、万全の準備をする
・以前のレッスンで注意されたことを忘れない
・シニヨン(お団子ヘアのこと)をきっちり結う
・レオタードでコーディネートを楽しむ
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上記のことは、すべて、その日のレッスンを万全な状態で受けられるために行っていることです。
細かく分解すると、「ウォーミングアップを十分に行う」「ケアアイテムを持って行くなど、万全の準備をする」は身体の準備、「以前のレッスンで注意されたことを忘れない」は時間を大切にするための意識です。
そして、「シニヨン(お団子ヘアのこと)をきっちり結う」「レオタードでコーディネートを楽しむ」はテンションを上げてレッスンを受けるために行っている準備。
筆者の場合、上記のことを徹底することで、1回1回のレッスンを「万全な自分」で受けられます。
もし今「レッスン前ギリギリについて、バタバタとレッスンを受けている」「髪型やレオタードはいつも適当」という状態であれば、上記のことを試してみてください。 時間的余裕や精神的余裕が生まれるだけで、レッスンの質はグンと向上します。
(2)休む勇気を持つバレエへの思いが強く、真面目な人が多い大人バレエの世界。仕事が忙しくても、体調が良くなくても、無理してレッスンに行くという人も多いでしょう。
しかし、調子が悪いときは休む勇気を持つということも大切です。決して「サボってもいい」と言っているわけではありませんよ。「サボる」と「休む」は全く違うものです。
筆者も社会人になった頃は、残業でヘトヘトになってもレッスンはなるべく休まないようにしていました。しかし、疲れ切った身体でレッスンを受けても、集中できなかったり、思うように身体が動かなかったり……せっかくレッスンに行ったのに満足できないことが多かったのです。
そこで、疲れて調子が悪い日は思い切ってレッスンを休むようにしました。身体の疲れも取れるようになり、「せっかくレッスンに行ったのに全然動けなかった……」と落ち込むことも少なくなったように思います。
もちろん、少々疲れていてもレッスンに行って、踊ったり教室の仲間と話したりすることで元気が出ることもあります。
体調や調子は人それぞれですから、一概に「こういうときは休むべき/レッスンに行くべき」とは言えません。 しかし、「無理してレッスンに行くのが適さないときもある」ということは、真面目にバレエと向き合う大人リーナの方こそ覚えておいてほしいです。
(3)レッスン内容を忘れない工夫をするレッスンで先生に注意されたときに「あ、これは前回のレッスンでも言われたんだった!」と注意されてから思い出すことってありませんか?筆者もときどきあります……。限りがあるレッスン時間を有効に使うためには、できるだけ同じ注意を受けたくないですよね。
そこで試してほしいのが、レッスン内容を忘れない工夫です。
メジャーな方法だと、バレエノートを作るといった方法があります。筆者も実践しており、Va(ソロの踊りのこと)で受けた注意や、コールド(群舞のこと)の立ち位置、音楽のタイミングなどをメモしています。
ノートを書く時間がないという方は、スマートフォンのメモ機能を使うのもおすすめ。レッスンから帰る電車の中など、スキマ時間でササッと注意事項を書き留められます。レッスン前に見返すのも簡単ですよね。
また、動画で記録するのもおすすめです。踊っている様子を動画に収めておけば「先生の注意」「客観的に見た踊りの状態」の2つを同時に振り返ることができます。
ぜひご自分に合った方法でレッスン内容を忘れない工夫をしてみてください。
■ 長く楽しくバレエライフを続けよう!大人バレエはいくつになっても楽しめる趣味です。
長く楽しくバレエライフを続けるために、ぜひ今回紹介した、大人が「趣味バレエ」と上手く付き合う方法を実践してみてください。
筆者も、長くバレエを続けていくために、そのときどきの生活にあったバレエとの付き合い方をこれからも模索していきたいと思います。
(上村舞)
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